仲良しのご近所さん

大して理由があるわけでもなく、ただなんとなく。
最近、毎日の散歩にカメラを持参しています。
遠くの小さな物を最大100倍まで望遠拡大して観察できるので
見慣れて/見飽きていたご近所の風景もちょいとばかり新鮮です。
【「カラス」or「カラス以外の何か」】としか認識していなかった鳥たちのことにも
わずかの間にずいぶん詳しくなりました。
ロビン君も、ジェイ君も、もうすっかり仲良しです。
せっかくなので、その新しいお友達をご紹介します。
私のご近所には、こういう人たちが住んでます。




Northern Cardinal (ショウジョウコウカンチョウ)。
(左)が雄。あんまり派手なんで、初めて会ったときは「逃げた飼い鳥」と思ったです。
(中)は雌。50代後半の疲れた水商売女性風に見えるのは目の周囲の小皺のせいかしら。
(右)はたぶん大人の羽根が生え始めた幼鳥(雄)。頭頂のぽわぽわが愛らしい。
(トランプのぽわぽわは何故愛らしく見えないのか…)



Blue Jay (アオカケス)。
彼のことも最初に見たときは飼い鳥と思ったね。
いつ見てもしかめ面して、何がそんなに不満なんだろう?



Eastern Bluebird (ルリツグミ)。
こいつもまた始めは(以下略)
ブルージェイと比べてどうよ、この媚売るような愛らしさ。小首なんか傾げちゃってさ。
私はジェイ君の方が好きです。(比べる必要ない^^)



Northern Mockingbird (マネシツグミ)。
でぶ!それに目が真っ黄色です。肝臓悪いんじゃないか?酒の飲みすぎか??
実にありふれた鳥で普段はわざわざシャッター切らないけど
建築資材を運ぶ姿を見るのはこのときが初めてでした。(ちょうど季節だったようで、その後頻繁に目撃)



Brown Thrasher (チャイロツグミモドキ)。
ここジョージアの州鳥です。
NHLの今はなき「アトランタ・スラッシャーズ」は、この州鳥に因んで命名された物でした。
「スラッシュ(スラッシング)」はアイスホッケーの主要な反則の1つで
それをチーム名にするのってまずくねぇ!?!?と思ったのですが
鳥の名前(チーム名)は「Thrasher」、反則行為は「Slashing」で
本当はまるっきり違う音なのでした。いやだね、このカタカナ耳。
って鳥の話じゃなくなってるし^^;
(右)は私の帰宅をうちの前庭で出迎えてくれたスラッシャー君です。
何食ってるんだろ?(雑食) それとも彼も自宅建設中かな。



(左)Chipping Sparrow (チャガシラヒメドリ) と (中)Song Sparrow (ウタスズメ)。
英語名スパロウだけど、分類は両者ともスズメ科じゃなくてホオジロ科。日本のいわゆる雀ではないのね。
私がこの2ヶ月で見た二十数種の鳥の中に、スズメ科の鳥はまだ1羽もいません。
ここいらじゃカーディナルやブルーバードの方がよほど「普通の鳥」みたいです。
それでもこのニセ雀たちの写真を撮るより、カーディナルを撮る方がずっと楽しく感じる私は
どう足掻いても日本人。この国じゃ永遠に外人なんだなあと思うです。
別にアメリカ人になりたい訳ではないですが(笑)
(右)は、巣から落ちたか、道端でふるふる震えていた「何かの雛」。
胸の模様を根拠にウタスズメだろうと見当をつけているのですが、確証はありません。
スラッシャー君にだって同じような斑はあるし、親とチビとが全然似てない鳥なんてざらですもんね。
とりあえず「拾うな」の原則は守った上で3時間後に様子を見に行ったら、もういなくなっていました。
無事に帰宅できたのならいいな。お節介様な人に「保護」されちゃったなら、まあ、それはそれで。
猫、蛇、鷹……考えないでおこう。
 2018.5.04追記: この子はEastern Bluebirdの雛である可能性が出てきました。でもまだ不確実。
 2018.7.08更に追記: どうやらNorthern Mockingbirdのようです。↑の目の黄色いおデブさんね。



Eastern Towhee (ワキアカトウヒチョウ)。
Towheeだからトウヒ鳥。ひでえ和訳!という話は置いといて。
彼の声をカナで表現しろと言われたら、私は「やふー、ちるるるる」と書きます。
アナタはどうですか。
永遠にカタカナ耳な、死ぬまで(死んでも)日本人である私には到底理解できませんが
アメリカ人には、この声が「Drink Your Teeeeeea」と聞こえるのだそうです。
Teaはわかるよ。Your(ヨー)も許そう。でもDrinkって、どこが。どこがっっっ。
もしもいつかこれが「茶を飲め!」に聞こえる日が来たら、私は米国帰化申請をしようと思います。



Red-shouldered Hawk (カタアカノスリ)。
すっげえの見た!写真も撮れた!と興奮しながら家に帰ってインタネット繋いで
日本語名ノスリとわかった途端に有難味が半減(笑) 鷹だと思っておきたかった。
(左)のモモ肉、魅力的だな。照り焼きにしたい。




Black Vulture (クロコンドル)。
マッチ棒とか10円玉とかを一緒に写さないと大きさがわからないよね。こいつは、でかいです。
体長最大74cmって、人間の1歳児くらい? 翼を広げると167cm…私の腕より長い。
黒コンドルの成鳥は普通(上段左)(下段右)のように頭頂から首まで完全に禿げているので
(上段中、右)はまだ幼鳥かもしれない。それでも大きかった。
大きくて、色がコレで、そんで、この足の爪っ(下段左)。
彼のいる所には必ず屍肉があるから少々不吉だし、あんまし積極的に仲良くなりたくはありません。
お願いだから、そんなにこっちを見ないで欲しい(上段右)。
ちなみに(下段右)が突いている朝食は、前日の昼過ぎに交通事故死した母オポッサムと
彼女の育児嚢からこぼれた赤子3匹でした。(有袋類!そーいう方々もご近所に住んでます^^;)
食われる前のオポッサム母子の写真も撮ったけど、亡骸だからね。掲載は一応自粛。
ご覧になりたい方は連絡下されば。流血していなかったので、状態は綺麗です。



Turkey Vulture (ヒメコンドル)。
姫と言う名に反し、黒コンドルよりさらに大きい(体長81cm、翼広げて183cm)。
(左)は3日前に交通事故死したアライグマをたらふく食って、休憩中です。
(中)は土曜の平和な民家の庭先で遅めの昼飯の真最中。何か小さな赤い物、たぶん栗鼠?
私が2、3歩近づいたら、ばっさばっさと物凄い羽音を立てて逃げ去って行きました。こんなナリでも臆病者です。

生きてる間は特に親交を深めたいとは思いませんが
将来、死んだら。こいつらに食って貰うのも悪くないな、とか考えています。
こいつらの体の一部になって、こいつらと一緒に大空を旋回できたら面白そうじゃないですか(右)。
米国内じゃ合法的な鳥葬は不可能でしょうけど。でも野垂れ死んで発見が遅れて結果的に鳥葬になるなら…………



Great Blue Heron (オオアオサギ)。
コンドル2種は恐い。でも私としては、こいつの方がもっと恐い。
くちばしの形状のせいもあるけど。目が狂気なんだよね彼…
歩道には出て来ないので至近距離で遭遇する心配はないのが救いです^^;



Canada Goose (カナダガン)。
この夫婦がさ、大学病院前の道の中央分離帯に居付いちゃったのよ。
車なんかお構いなしで悠々とお散歩。クラクション鳴らされても平然としてる。
サイレン鳴らして走って来た救急車も奴等の手前で足止め食らっちゃって(笑)
いや、私は部外者だから笑ってるけど。乗ってる本人、家族はたまったもんじゃないよね。
1週間くらいで姿を消したのは、単に北へ渡って行ったのか、穏便に排除されたのか、さあどっちだ。






まだキツツキを見ることが出来ていないのが口惜しいです。
音は聞こえるから、近くに居るのはわかるんだけど。そのうちきっと、と思っています。
(でも、頼むから私の家の壁には穴をあけないで。
ってか、キツツキが来る家はかなりの高確率で白蟻にやられているのだそうで
だからお願いだからうちには来ないでっ!)

本格的に野鳥観察に「はまる」予定はありません。
たぶん奥が深すぎて手に負えないし、鳥なら見るより食う方が好きさ^^
鳥類図鑑はちょっと欲しいけど。しばらくは図書館で我慢です。





2018.5.01 文と写真/由里 協力/のぼ(鳥類研究家)

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