日刊つん太 2001年5・6月、日本旅行
★通常の『日刊つん太』とは逆に、下へいくほど日付が新しくなっています。
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5月18日(金)
いざ、出発!
アメリカン航空の国際線カウンターで搭乗手続きをとって出発ロビーに入ると
真正面にまず見えるのは、ビーニーベイビーズを積んだワゴン。
毎度毎度、ここで気持ちを揺らす由里姉ちゃん。
でも、ビーニーならいつでも手に入るからね。
北海道に行ったらヒグマさんやキツネさんや丹頂ヅルさんをお迎えしたい、
だから、今はぐっと我慢。って、由里姉ちゃん、必死で自分に言い聞かせてる。
ぼくは、お土産屋さんにあった、馬の鞍の形のキーホルダーに惹かれてる。
ちょうど、ぼくに合う大きさなの。
ヒンヒンさんやKevinさんに乗せてもらうのに、鞍があったらいいなぁ。
由里姉ちゃんを送ってきたM兄ちゃんにおねだりしてみたら
「お前なんか、はだか馬で充分」って言われた。けち。 (つん太)
さてと、飛行機に乗り込んで、13時間20分の座り地獄に突入。
機内食を食べてウトウトしていたら、額にフォークが降ってきた。
後ろの席の人のお盆を片付けていた客室乗務員が、誤って飛ばしたらしい。
その時は酔い止め薬でぽーっとしていたためか、全く腹も立たなかった。
後になって「危ねぇじゃねぇか」と怒りが湧いてきたが。 (由里)
(ダラスの空港で。ぼくのAA61便、機種はB777。)
わあ〜、ニッポンだニッポンだニッポンだ。
みんな髪の毛が黒い、目も黒い。やっぱいいよな〜、黒は〜。
成田で札幌行きの日航に乗り継いで、座席に座ったとたんに睡魔に襲われた。
気付いたらもう空の上、飲み物のサービスが始まっている。
機内での飲み物は、私はいつも「かぁふぃ うぃず めおく(coffee with milk)」。
理由、1番確実に聞き取ってもらえる英語が、これだから。
自分が何を飲みたいか、なんてことは二の次なのだ。
でも、今は出来るならコーヒーはとりたくない。
この眠気を維持して、新千歳のホテルに着いたらすぐ寝てしまいたいと思う。
ジュースにしておいた方が無難だろう。
が、私は「オレンジジュース」の発音が大の苦手。
何遍繰り返しても判ってもらえないことが多い。
「アップルジュース」なら比較的通じやすいので、またも嗜好は無視して頼む。
「りんごジュース下さい」
…そう、これは日航機。日本人の乗務員。
日本語で頼むんだから、オレンジでも良かったんだ。
「在外ボケ」の1発目でありました。 (由里)
(カレーうどんという名の物。和風だしの香りはしなかった。)
駅の公衆電話から、到着予定時刻を姉に伝える。
う〜ん、テキサスは広いけど、北海道も広い!
10円玉が、もの凄い速さで落ちていく。
札幌まで来れば旭川なんてすぐそこ、3分10円で話せるかと思ってた。
そー言えば、今朝のホテルの送迎バスの窓から、なんと地平線が見えた。
姉に見せびらかそうと思い、わざわざテキサスの地平線の写真を持ってきたのに。
北海道をみくびってはいけないな。
私も姉もそんなことには全然関心がないのに
何故か、6歳の姪のH子は「おしゃれ」が大好きらしい。
で、今回のお土産は、子供用のネイルアート・セットにした。
「水溶性で、乾くとペリッと剥がせる」と書いてあるから
きっと色付きの木工用ボンドみたいなものだろう。
ネイルカラーの小さな瓶が6本(6色)と、カラーの図案集がついている。
H子は、私の予想をはるかに超えて、これを喜んだ。
小さな爪に、一心不乱で魚や豚や蝶々の絵を描きまくってる。
どうやら、『小学1年生』に「おしゃれ講座」の連載があって
この中で紹介されていたネイルアートというのに
前から興味津々だったらしい。
「まにきゅあは、したからうえにぬるんだよ」だなんて
姉も私も初耳な高度な知識も披露してくれた。将来がちょっと怖い。
さて、H子が持ち出してきた『小1』はじめ蔵書の数々を見せてもらっていると
とある幼年雑誌の特集で「とうもろこしを使ったたべもの」という記事が出ていた。
やきもろこし、ポップコーン、コーンスープ等は良いとして
…アイスクリームのコーンカップ。
うそを書くな、『キンダーブック』! あれの主原料は小麦粉だぞ。
きっと「コーン」という言葉に引きずられて載せてしまったのだろうが
アイスコーンは「corn」では無い。「cone(円錐)」だっ。
英語なんか大嫌い、と日頃から叫んでいるくせに
妙なところで神経質になっている私。これも一種の在外ボケか? (由里)
(札幌大通り公園で。ハモニカを吹いてるんじゃないぞ)
家に帰って、おやつにアイスクリームを食べたの。
ぼくたちからのお土産、ケーキやアイス用のトッピングを振りかけて。
もーすぐ独立記念日ということで、トッピングは「星条旗」のイメージ。
赤・白・青の、お星様の形の砂糖。白いザラメ。真っ赤なチョコスプレー。
H子ちゃんが1番派手な「お星様」を選んだので、それの容器を開ける。
由里姉ちゃんのお姉さんが、素っ頓狂な声をあげた。
容器の中蓋に、パラパラ振りかけるための小穴がぽつぽつ開いてるのだけど
その穴が、お星様よりも小さいの。
これじゃ、いくら振ってもお星様は出てこない。
くすす。これ、実は、アメリカでは普通のこと。
粒胡椒を買っても、ブイヨンのキューブを買っても、月桂樹の葉を買っても、
容器に開いてる穴は皆同じ大きさ。
こんな無意味な中蓋、つけなけりゃいいのに…
こういう「変」をお土産に持ってくるのは、楽しいな。
由里姉ちゃんのお姉さんのおうちは、パン屋さん。
朝10時、お義兄さんが焼いたパンを開店1番乗りで買って、札幌に向けて出発。
特急電車の中で、もぎゅもぎゅ食べた。美味しかった♪ (つん太)
ダラスを発つ1週間ほど前に、姉の家のぬいたちからメールが来た。
「ひさびさの日本。何が食べたいですか、ご注文承ります。」
私は迷うことなく返事を出した。
「ヤマザキのあんパン・クリームパン・カレーパン。パスコの食パン」。
なのに姉は、2泊3日の旭川滞在中、ついにそれらを食べさせてはくれなかった。
そりゃ、生協でそんな物をかごに入れて歩いてる所、
お店の常連のお客様に見られたら困るだろーけどさ。ぷん。
そんで、早速札幌見物だ。さあ!まずは真駒内アイス・アリーナを見に行こう!
(アイスアリーナの事は「銀のロマンティック…わはは」とゆーマンガにのっているので
ヒマな時読んでみよう)
…あいにく真駒内アイス・アリーナは改修工事中で閉まってたけど、
そんなの大したことじゃありません。
そ…そんじゃ次は札幌ドームね! スイート・メイプルスの本拠地だよ。
(スイート・メイプルスの話は「メイプル戦記」とゆーマンガにのっているので
気が向いたら読んでみよう)
そこもまだオープン直前の工事中で …もう、どーだっていいんです。
…と、川原泉の漫画を知らない人には意味不明な文章。
興味のない方、ごめんなさい。
地下鉄・真駒内駅は地上2階にホームがあったけど
出入り口は1階でした。 >川原研の皆様。
楽しい札幌、愉快な札幌…ここで1泊。 (由里)
夕方、由里姉ちゃんの実家に到着。
お夕食は、由里姉ちゃんの大好物、しこ鰯の唐揚げ。
由里姉ちゃんは、幸せそうなお顔。
ぼくは、由里姉ちゃんの実家にいる白之兄さんと、1年ぶりの再会。
白之兄さんは、ぼくと同じテリオットのぬい。
ぼくたち兄弟と同じ顔した、でんでん虫のエスカルさん、
それに恐竜の「たんぱく質」さんにも会えた。嬉しい。
今日、ダラス時間の水曜、「スタートレック」が最終回を迎えたはず。
ちゃんと録画できてるかな。 (由里)
夫が今日の飛行機で日本に着いた。とりあえず無事らしい。
奴は奴で昔の友人の家やら実家やらを回るので、合流は先の話。 (由里)
博品館にも、こんにちは。
去年の夏に最発売された、ぼくの仲間「テリオット」に会いたかったのに
残念、ぬいの世界も入れ替わりが激しいねえ。もう1匹もいなかったよ。
由里姉ちゃんが真剣に惚れこんだのは、
ジブリ・コーナーにいた「パンダコパンダ」のパパパンダ。
でも、いい表情のパンダさんは、大きいサイズだけだったの。
抱いて飛行機に乗るには、ちょっと無理がある。由里姉ちゃんも、残念。
かわりに、1階のキャラクターグッズ売り場で「うみにん」っていうのを買ったよ。
本当は何かのゲームのキャラらしいけど、
由里姉ちゃんが好きな漫画の登場人物にも酷似していて
そっち方面で話題のお品なの。
小さなプラスチックのうみにん、2体で315円なり。
本屋さんを次々覗きながら日本橋まで歩いて、12冊で8132円。
少し疲れた、ドトールでミルクレープ…と思ったら、あら、この店、飲み物だけだ。
おまけに店内、とっても煙い。退散。代わりにコンビニで「ジャワティ」147円。
アメ横へ行って鰹節6本、5880円。
あれ、もう5時だ。秋葉原の電気屋さんで「ニャンちゅう」見なきゃ。急げ急げ。
万世のカツサンドを夕飯用に買い込んで480円、
レコード屋さんで「おさちゃん」こと坂田おさむお兄さん他3枚のCDを買って8893円、
神田神保町まで歩いて本屋さんをはしごして、ふう、疲れた。
明日の撮影会用にフィルム買って2079円、
コンビニで夜のおやつのシュークリーム105円。
なんだか今日はお小遣い帳みたい。
新宿駅に10時の待ち合わせだけど、東京の地理には余り自信がないぼくたち。
9時ちょっと前に部屋を出た。
泊まってるのは、新宿駅から歩いて10分足らずのホテルなのに。
でも、大正解。思いきり迷子になって、50分もかかったの。
昨日の夜にちゃんと下見したのになぁ。
あ、あそこで大きな荷物を持ってるのは、有梨さんとお義母さま?
去年お会いしてるのに、ごめんなさい、
人間さんの顔には全然自信がないぼくたち。ううん、困ったぞ。
…こっちに手を振ってくれてる。きっと、あの2人でいいんだ。こんにちは!
撮影会詳細は、他の皆さんのレポートにお譲りするとして(をい!)
美味しかったねぇ、ハニートースト!
日本で食べた物の中で、1番美味しかったなぁ。
考えてみると、ただの食パン・ただのチョコシロップ・ただのアイスなのに。
大好きなお友達に囲まれて楽しく食べた、その気分が美味しかったのかな。
カラオケも、楽しかったの。
由里姉ちゃんは、1度もマイクを握らなかった。
他の人のお歌に合わせて、一緒に口ずさんではいたけどね。
ウルトラマンメドレーは、本気で声を張り上げてたし。
でもやっぱり、マイクを持つのは苦手。
他人に「歌え」って強制する人がいなくって、良かったね、由里姉ちゃん。
(そうです。私は自分で歌うより、皆さんの歌を聴いてる方がずっと楽しい。
そっとしておいて下さって、本当に有難うございました。 由里)
今日の参加者、ぬいぐるみさん104人、人間さん9人(ぼくたちを含む)。
(+おうちが遠くて参加できないち〜にゃんさんも、電話で声を聞かせてくれたの。)
次に皆さんに会えるのはいつだろう。ちょっと寂しいな。
でも、ネットの世界で仲良くなったお友達だもんね。
現実世界で会えなくっても、ネットで仲良くできたら、それでいい。
遠くに住んでるぬいさんも、まとまった時間を取れない忙しい人も、
お病気で外に出るのが難しい人も、ネットの世界でなら、会える。
そういうお付き合いも、大事にしたいなぁって思う。
…本音はやっぱり「会いたい」だけどね。
川崎大師に寄り道して、1年間持ち歩いてきた「身代り御守り」を返納。
何か悪いことがあったとき、弘法様が身代わりになってくれる、っていう
とってもありがた〜いお守りなんだって。
美味しい物も弘法様が代わりに食べちゃうんじゃないか、少し心配だったけど
どうやらそれは大丈夫みたい。良かった!
新しいお守りを頂いて、大日如来様に手を合わせて、
「再び始まるダラスでの日々が、どうか安全でありますように。」
今日から、再び由里姉ちゃんの実家で3泊。
由里姉ちゃんの叔母さんが、お夕飯に来た。
ぼくのこのページを読んでくれてるんだって。どうも有難う。
叔母さんも昔、3年間の海外生活をしているらしい。
その頃は、叔母さんが外国の暮らしについてお手紙を書いて、
それを受け取った由里姉ちゃんのお母さんがガリ版に切って、印刷して、
親戚に配ったりしてたんだって。
「ダラス通信」の大先輩だねぇ、そのお手紙。
新聞社のウェブサイトなんて物も無かった、その時代。
叔母さんに、毎月の縮刷版を送っていたらしい。
インターネットな時代の海外生活で良かったね、ぼくたち。
夕方、M兄ちゃんがご到着。
M兄ちゃんは、郷里の富山で暇つぶしに、運転免許の書き換えをしてきたの。
住民票は富山に無いけど。有効期限が切れるのも半年以上も先だけど。
でも、海外在住者の特例制度で、更新ができる。
…はずなのに。ものすごく、手間取ったんだって。
何故なら。富山の免許センターの人が、その制度を知らなかったから。
「更新できることになってる」って言っても、信じてもらえなかったらしい。
…本当かなぁ? 富山でこの特例を行使した人、今まで1人もいなかったの?
ちょっと信じがたい。
M兄ちゃんは、ご実家の車を免許センターまで自分で運転して行ったんだって。
左側通行の車を動かすのは、確か2年ぶり。危ないなぁ。
でも、なんとか無事故で帰れたって。ほっ、良かった。
シートベルトを締めるとき、つい手が左肩に伸びちゃったらしいけど。
シーズンオフで平日で、なんと今日の保養所の利用者はぼくたちだけ!
ふふふ、風呂が貸し切り、泳げるぞ。と言ったのは、もちろん由里姉ちゃん。
しまった、水中眼鏡を忘れたっ …泳げるほど大きなお風呂じゃないよ。
ここでの1番のお楽しみは、お夕食。
相模湾でとれる新鮮な海の幸、海の幸、海の幸。
ぼくはお魚にはあんまり興味ないけど、
美味しそうに食べる由里姉ちゃんとM兄ちゃんを見てると、嬉しいの。
M兄ちゃんは、鯵のお刺身を由里姉ちゃんの分まで食べて大満足。
由里姉ちゃんは鮎の塩焼き。(これ、相模湾じゃないよ? それに、まだ5月…)
白身の魚を唐揚げにして酢の物にしたのも、とっても美味しかったって。
ぼくは、昼間、下の温泉街で買ってきておいた草大福ににっこり。
箱根は美味しいな♪
6月1日(金)
朝起きて温泉、食事の前に温泉、食べ終わったらまた温泉。
お風呂嫌いの由里姉ちゃんが、昨日からもう7回もお湯に入ってる。変なの。
わあ、由里姉ちゃん、体が臭いよ。そばに来ないでっ。
さて、本日の予定は…「熱海に行きたいわ、わたし。ちゃっぷん」
…まさかその科白1つのために、1日を使うの?
(判らない人は川原泉『三月革命』を読もう、
白泉社『空の食欲魔人』に収録。布教ここまで。 由里)
ちょっと遠いけど、でもまあ、乗り放題切符の範囲内だし。行こうか、ね。
まずバスで湯河原まで出て、熱海行きに乗り継ぐみたい。
熱海行きは本数が少なくて、次のバスまで1時間以上あるの。
これじゃ、熱海に着いたらすぐとんぼ返りだね。
念の為、手元のパンフで帰りの熱海発の時刻表を調べると、
…え?
ぼくたちのバスが熱海に着く前に、湯河原行きの終バスが出ちゃうみたいだよ。
これじゃ、行ったきり帰れない〜。
湯河原駅前のお土産屋さんを冷やかして、箱根に戻るバスに乗る。くすん。
宿に戻るにはまだ早い。今日のうちに、小田原観光も片付けちゃお。
「小田原城には パオ〜 象がよく似合う…」
お城にはもう何度も来てるけど、毎回必ず同じ科白を口にする由里姉ちゃん。
あれ? でも、肝腎の象さんがいない。小屋の中に入っちゃってるよ。
真駒内アリーナ、札幌ドーム、熱海。川原ネタがことごとく空振りだねぇ。
くすくすくす。
駅の売店で、ソフトクリーム買ってもらって食べた。美味し♪
さて、本日は「川原研」の「由里さん来日記念晩餐会」である。
(名称については、気にしない)
が。一昨日の朝、実家で関係ページを確認した時点で
会場も集合場所も時刻も、何1つ決まっていなかった。
どーすりゃいーんだ、わし?
心配しつつホテルに着くと、フロントに伝言が届いていた。
「5時半に、伊勢丹の正面」
…他に人と会う約束は無いから、これは、今日お会いする方だろうか?
伝言には発信者の苗字が入っているが、私、皆さんの本名を知らないのだ。
あ、連絡先として、携帯の番号が。これは蒼さん、今日の人だ、ほっ。
待ち合わせ場所に行っても、私は皆さんのお顔も存じ上げない。
掲示板に書いた私の外観を頼りに、皆さんが私を発見して下さるのを
ただぼーっと待つしかない。とほほ。
「年齢層に幅のある男女混合グループ」を幾つか探して視線を送ってみるが、
誰も気付いてくれない。違うのかなぁ。
やがて、「由里さんですよね?」と声をかけられた。
私が全く気にしていなかった3人組だった。
だって、イメージ違うんだもん、特にしまさん。(実物の方が、まともでした。)
ご挨拶も早々に、3人の中の1人・トリさんから、川原泉テレカを頂いてしまった。
いいのかな? 2枚あるって言ってたし、いいのよね。うわあい、有難う。
もちろんアメリカの公衆電話では使えないし、実用性は薄いけど
そーゆー物じゃないもんね、この場合。
大事に大事に財布に入れて持ち歩きます。どうも有難う!
晩餐会詳細は、他の皆さんのレポートにお譲りするとして(をい!)
でも、これだけは書いておこう。
「川原泉館」のぱふ男さん・しまさんと川原談義ができたのは、無上の喜びであった。
(…こう書くと、まるで他の人たちはどーでも良かったみたいだな。
勿論、そんなことは無い。あるはずが無い。
でも、このお2方は、やっぱり別格なのだ。)
最初の店で、気付いたらお2方と私とで固まって座っていたのは
あれは、偶然だったのだろーか。誰かが意図的にそうしてくれた?
どっちだろーと構わない。幸せな時間だった。
なんたって、この私が料理の写真を撮り忘れたくらいだ。
しかしやがて、ぱふ男さんは酔いが回って、だんだん話がおかしくなってきた。
お〜い。まだまだ議論し足りないのに、潰れるなぁっ。
飲めない人間は、取り残されて、ちょっぴり悲しい。
今日の参加者、私を除いて8名。楽しかったです。私も一緒に泊まりたかったな。
次に機会があったら、そのときは、枕投げとか怪談とかしましょうね。 (由里)
川原泉の漫画はぼくも好きだけど、
それよりもっと楽しみだったのは、トリスさんちのお馬のKevinさんに会えること。
Kevinさんの背中は広くて安定がいいな。それに、手綱まで付いてるよ。うわぁい。
もう1つ、この日嬉しかったこと。
2次会の会場に移る電車で、由里姉ちゃんのお隣に居た遙さんってお姉さんが
ごく自然に「ぬいぐるみが『いる』」って言葉遣いをしてたの。
このお姉さんは、うん、いい人だ! お菓子もくれたし。
さあ、まだまだお名残惜しいけど、今日はもうホテルに戻らなきゃ。
あれ? Kevinさんを誘拐して来ちゃったの?
トリスさんには明日また会うから、ま、いいか。
あ、明日は、ザリガニの五右衛門も連れて来ようか。
はたさんってお兄さんが、好きなんでしょ、ザリガニ?? (つん太)
遠来の客である私は、昨日に引き続き、本日も主賓待遇だ。
講演会終了間際に駆け込んでいらしたもりたつさんから、
蛙の折り畳み傘の「マエダ君」をお土産にいただいてしまった。
嬉しいぞ。嬉しいけど、う〜ん。ちょっと、かなり、やばいかも。
皆さんに「由里さん、由里さん」と持ち上げて頂いて
まるで自分が特別な人間であるかのように錯覚し始めている私。
何年か先、帰国した後の人生を狂わせそうな勘違い様である。
…「皆様のご親切はとても嬉しゅうございますけれど
在外だからといっていつまでも甘えてばかりではいけないと思いますの
お優しい皆様方ならあたくしの気持ちをわかって下さいますよね…?」
「まあ…由里様…! 由里様こそわが川原研の埃ですわ」(川原『笑う大天使』)
…ご尊敬申し上げて下さらなくていーから、次は会費くらい徴収してくらさい。
会議室の利用料金は均等割りでちゃんと取ってくれて、
九鬼さん、有難う。タロさに宜しくね。
(コーモリさんのこと。↑ 勝手に命名した。由来は春雨ぢゃ。)
ファミレスで飲み食いした後、
さらに時間のあった人間で、『目黒寄生虫館』へ。
白い細い長い方々がうねうねと収められているガラス瓶をたくさん見た。
皆さんとお別れして、宿に戻ったのは夕刻。夫も外出から帰ってきていた。
ので、2人で夕食を食べに街に出た。
沖縄料理屋に入った。ソーキそばを頼んだ。
うねうねと白い細い長い麺。なんで私はこんなに平気なんだろう。
もう少し繊細でありたい。
それはそうと、川原の漫画でしばしば背景に飛んでいる、白い蝶々。
(『アンドロイド〜』のナッシュの周りに、特に多く出現)
あれが、フタゴムシに見えてきた。少し困っている。 (由里)
ところが。
「和風ハンバーグ」を頼んで一息ついた頃、煙の塊が私の横面を直撃した。
隙間だらけの仕切り1枚隔てた隣の席が、なんと喫煙席だったのだ。
喫煙席は禁煙席より床が高くなっているらしく、敵の灰皿はちょうど私の鼻の高さ。
ごほごほごほ。こりゃひどい。普通に隣のテーブルで吸われるよりもきつい。
たまらず、ウェイターを呼ぶ。
「これ、なんとかできませんか」「禁煙席の意味、全然ないんですけど」
怒りに声がうわずる。手が震えてる。
あああ、最後の最後に、日本の1番いやな部分にぶつかっちゃった。
「禁煙席」って名前の場所を用意しさえすりゃいいって物じゃないんだよーっ。
どうして、ちゃんとした壁を1枚、作れないんだろう。
愛煙家さんだって、きちんと分煙されてた方が気持ち良かろうに。
喫煙席で吸ってる煙にガタガタ文句言われたんじゃ、たまらないよな、きっと。
食べずに店を出るという選択肢もあるが、それができないのが気弱な日本人。
煙の来ない席が空き次第そこに案内する、と約束させるのが精一杯。
料理が来る。皿の上にも煙が降りてくる。
最後の晩餐なのに。ちっとも美味しくない。泣きたい。
私が7割方を食べ終えた頃、「お席が空きましたので」と来た。
今更面倒、というのが正直な気持ちだ。
隣の席にも料理が来たらしく、もう煙草は消されている。
でも、「もういいです」とは言いたくない。意地のために、席を移る。
新しいグラスに水が注がれる。給仕が皿を持って来る。 …あ?
食い散らかした私の皿ではない。新しいハンバーグだ。
こんな変なサービスは要らないから、もっと適切な所に気を遣って欲しい。
(そう、例えば無料でデザートくれるとか、ね! つん太)
朝から喉の奥がむず痒く、ヤバイなぁと思っていたら
やはり、どうやら風邪をひいたらしい。夜になって、鼻水が止まらなくなった。
さらに、たぶん明日の午後あたり、腹痛に襲われそうな気配が。
これを避けて日程組んだはずだったのになぁ。狂った…
コンタック鼻炎カプセル、酔い止め、バファリン。
私は明日、いったい何を飲めば良いのだ? うう。 (由里)
時間はあと少し。
M兄ちゃんが、不ニ家でパフェでも食べようか、って言ってくれた。大賛成!
なのに。なんと由里姉ちゃんが裏切った。
「喉が痛い。お腹が重い。飛行機に酔いそうで、食欲が無い。
さっさと出国手続きをして、ロビーで休みたい。」
そ、そんな〜。休むのはダラスでもできるけど、ダラスに不ニ家は無いんだよ〜。
由里姉ちゃんなんか、嫌いだ。ぷん。
出発ロビーに入ってみると、ぼくたちの飛行機、30分くらい遅れるって言ってる。
よその飛行機が、ランディング・ギアの故障で滑走路に立ち往生してるんだって。
待ってる間に、せめて、そこのドトールでミルクレープ。駄目? あ、そう。
ダラスに戻ってから「やっぱり食べたかった」なんて言っても、知らないよっ。ふんっ。
帰りの飛行は、11時間25分。風が強く吹いてるおかげで、行きよりは短い。
でも、人間たちは、座り地獄なことに変わりない。
ぼくも、暗い機内で迷子になったらいけないからって、鞄に結び付けられちゃった。
窮屈だよぉ。この紐、ほどいてよぉ。
由里姉ちゃんが眠ってる隙にスチュワーデスさんのとこに行って、
美味しいお菓子をもらってこようと思ってたのに。くすん。
じたばたしているうちに、ぼくも、眠っちゃったみたい。
すぐに軽食が来て、そして、着陸。
入管・税関を抜けて外に出ると、午後の太陽がギラギラと暑い。
帰って来ちゃったんだなあ。
日本時間では朝食、ぼくたちの主観では「昼食」な、ダラスの夕食を食べる。
由里姉ちゃんに料理の気力は無いし、冷蔵庫は空っぽだし、
疲れたお腹は日本食を求めてるし、
旅行から帰り着いた日の夕食のお約束、インスタントラーメン、ずるずるずる。
冷凍ごはんに、小田原で買ってきた梅干もある。日本人の幸せ。
明日からは、お土産に頂いた和菓子三昧。
食べ損ねて悔しいのは、タイヤキとバウムクーヘン。
日本のスパゲッティも忘れてた…。
2001年4〜6月の日刊つん太へ