ぼくの旅行記・ホットスプリングス
〜栗きんとん食べたいドライブの旅〜
2001年晩秋
9月11日以降、アメリカ人の旅行スタイルが変わったんだって。 人ごみは恐いから、大自然に癒されたいから、 都市型の観光を避けて、国立公園の人気が急上昇らしいの。 もちろん飛行機は使わず、車での近距離旅行が主流です。 ぼくたちは、普段は流行に乗り遅れた生活をしてるんだけど |
1日目
いつもは寝ぼすけの由里姉ちゃんも、旅行の朝だけはちゃんと起きてくる。 朝8時、ガソリンを満タンにして、さあ出発!! まずは国道30号を北東へ。ホットスプリングスまで、ほとんどまっすぐ280マイル。 休みなしに走れば、お昼過ぎには着いちゃうかな? でもその前に、マクドナルドで朝ご飯。 Texarkanaで州境越え。この辺が、ちょうど中間地点になるのかな。
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町の名前はHope。 未来の大統領を産んだ町としては、できすぎた名前? まずは、町の観光案内所脇の広場で記念撮影! |
今日は日曜だから、午前中は案内所はお休みだって。 博物館も併設されてるらしいのに、残念。 でも、ドアの外に無料の観光地図がある。 1枚もらって、予定外「大統領ドライブツアー」だ! 地図の中身は | クリントンの生家。 この家で4歳まで育ったんだって。 |
Hopeの次の町でお昼の休憩。 ちょっと都市部を外れると、お食事処の選択肢が無くなっちゃうんだよね。 …で、また、マクドナルド。 朝は「朝食メニュー」だったから、2食続けてハンバーガーじゃないだけマシ? でも、今回の旅行は温泉旅行ってことで、お年寄りぬいが3人参加してるの。 こんな食生活で大丈夫かなあ? かばさん(かば)「にしん蕎麦が食べたい」 がっちゃん(犬)「湯豆腐」 ホワー(ねずみ)「チーズバーガー」 …元気なお年よりもいるんだね^^ |
やがて、ホットスプリングスへの分岐点が見えてくる。 でも、まだまだ時間はあるし、国道をそのまま直進、 州都リトルロックまで足を伸ばしてみることにしたの。 去年のテキサス州議事堂見学が楽しかったから アーカンソーのも覗いてみようと思ったんだけど あれれ、なんだか小さな建物だねえ。前庭も狭い。 日曜なせいもあるけど、議事堂の中には誰もいない。 |
中央のホールに4枚の大きな肖像画が飾られていて あ、やっぱり。そのうち2枚はクリントンだぁ。 1枚は、州知事時代のまだ若いクリントン。 もう1枚は、ちょっと髪が白くなった大統領のクリントン。 大統領の絵の方が額縁が上等でした。 あれ? あとの2枚は誰だったんだろ? クリントンに気を取られて、確認し忘れちゃった。 クリントン、クリントン、 |
このあと、ホットスプリングスの町に無事到着。 でも、ホテルに入って、あれれー。 水着で入る大きな温泉があるはずだったのに、見つからない。 案内書をよく読んだら「スイートルームは室内にお風呂がある」だったの。 ありゃりゃ。これじゃ、何しに来たんだか判んないね。 市街に行ったら外湯があるかな?って思って調べてみたけど のんびりお湯に入るだけでいいって人は少ないみたい。 広告に出てるお風呂はどれも皆「蒸す、こする、塗る、揉む」のフルコース。 由里姉ちゃんはくすぐったがりだから、人に触られるのは好きじゃないし マッサージのお部屋は男女別だから、由里姉ちゃん1人だと言葉も問題^^ 湯治は無理みたいだね。ぼくはいいけど、老ぬい3人は不満顔。 もう1人がっかり顔してるのは、蛙(自称ワニ)のゲコ。 |
2日目
朝おきて窓を開けたら、わ、ひどい、地面が濡れてる! ぼくたちが旅行に出ると、必ず雨に遭う。 なんだか、ついてないなぁ。雨ぬいは誰?? |
ま、気を取り直して、いよいよ国立公園観光の始まり。 公園の中心はホットスプリングス・マウンテンって小さな山。 まずは、その山の上の展望台『マウンテン・タワー』に行くの。 町の様子を知るには、高い所から眺めるのが1番だもん。 展望台は高さ216フィート≒75.2m。 東京タワーの1/4以下の低さだけど 高い建物は他に何も無いし、山の上の塔だから 晴れた日なら半径70マイル≒110kmの眺めが楽しめるって。 今日はあいにくのお天気で遠くの景色は期待できなけど 小さな町だから、視界ゼロじゃなければ大丈夫だよね。 山の上まで、「いろは坂」みたいなぐねぐね道を上がっていく。 |
入場料を払ったら、大きな金色のコインをくれた。 わあ。記念メダルみたい! 立派なお土産になるね。 でも、入り口で「がっちゃんこ」て棒を下げて通るとき 機械に飲み込まれちゃって、コインは戻ってこなかった。 せめて写真だけでも撮っておけばよかったな、くすん。 エレベーターで最上階=3階に上がる。 |
階段を下りると、2階の展望室はガラス張り。 ガラスは曇ってるし、水滴ついてるし、汚れてるし、 でも、凍えるよりずっとマシだね。 暑い国のぬいぐるみは、寒さに弱いんだぃ。 それにしても、お客さんが全然いない。 |
寒い寒い3階で撮った、ホットスプリングス市街地の写真。 低い山の間を縫うように、細く細く町が続いてる。 でも、「町の様子を知るために」塔に上がったくせに やっぱり全然判ってなかったなぁ。 町の1番の繁華街、温泉街が ちょうどぼくの後ろに隠れちゃって、写真に写ってないの。 余談、ぼくのバンダナの先にあるベージュ色の建物は |
上がってくるときがいろは坂なら 下りも当然いろは坂。 かばさん(左の灰色)とホワー(右の茶色)は なんだかぐねぐねが気に入ったみたい。 もう少し早い時期に来たら、綺麗な紅葉も楽しめたかな。 残念ながら、今はもう枯葉が散って落ちちゃった後。 緑の葉っぱは残ってるけどね。 前にも後ろにも他に車はいないし |
温泉街に車を停めて、市の観光案内所に入ったら うわあ、昨日に続き、ここにもクリントンがのさばってる。 元大統領は、小学2年でHopeからこの町に移り住んだんだって。 クリントンがどアップでニターッと微笑んでる写真の絵葉書、 由里姉ちゃん、そんな物買ってどうするの?? うちに飾るのはイヤだし、人様に送るのにも使えないし、あーっ。 5枚も買っちゃった。1ドルの無駄遣い。ああああ。 (USAの選挙権は持ってないから、この辺の行動はお気楽極楽。 次はテキサスのジョージ・ブッシュの家に行って、 ブッシュ・グッズを買おう♪ 由里) |
昔のお風呂屋さんの町並みを残した通りの中に 温泉資料館(ビジターセンター)があった。 古い建物の中に、古い設備をそのまま残して展示してるの。 洗車場みたいに四方八方からお湯が吹き出すシャワーや 金属の箱から首だけ出して体を蒸し上げる装置があって エステとかが好きな人が見たらきっと、面白いんだろうな。 由里姉ちゃんもぼくも、なんだかよく判んなかったけど。 これは、ビジターセンターの地下にあった |
お風呂には入れなかったけど、 公園に湧いてる熱い池で、気持ちだけぽかぽか。 今日は寒くていやだなーって思ってたけど 真っ白な湯気を見て幸せな気分に浸れるのは 寒い日だけの特典だよね。 硫黄の臭いがしないのも嬉しいな。 由里姉ちゃんは「物足りない」て文句をいうけど ぬいの体に臭いが染みちゃうと、あとが大変なんだもん。 この町の温泉は日本みたいな火山性の温泉じゃなくて |
お昼の後は(…全米チェーンのファミレス、しくしく) 町の北西にある大きな湖(Lake Ouachita)1周ドライブ。 でも、道路からは湖なんて全然見えないし、 雨もどんどん激しくなってくるし、ぼくは楽しくないよー。 喜んでるのは、胴体が折り畳み傘の、蛙のマエダ君だけ。 だけど、湖畔に続く細い暗い道を頑張ってドライブして |
夜のレストランで。 飲み物の注文を聞かれて「ただの水だけ下さい(Just water)」て頼んだM兄ちゃん。 これが…何度繰り返しても、ちっとも通じない!! 実は、昨日行った中華屋さんでも駄目で、仕方無くお茶(有料)を取ったの。 何で?? 何でJust waterが判ってもらえないの?? ダラスじゃいつも何も問題なく通るのに。周りの人たちも皆使ってる言葉なのに。 テキサス英語は訛りが強いのは知ってるけど、表現も標準英語とは違うのかな。 会社ではインド訛りのインド英語に囲まれてるし 「現地で暮らしながら、生きた英語の習得」って、やっぱり難しい!! お食事しながら周りを観察したら、他の人たちは「Ice water(氷水)」て言ってた。 |
3日目
市役所前の広場には温泉の蛇口があって 車のトランクに大きな容器をたくさん積んだ人たちが 入れ替わり立ち代り、お湯を汲みにやってくる。 ぼくたちも、いつも飲んでるお水の空き容器を4つ、 ちゃーんと持って来てあるんだ♪ 1つ1ガロン(3.8L)、4つだけじゃお風呂にはできないけど 飲んで大丈夫なお湯だから、お調理には使えるよね。 M兄ちゃんが試しに飲んでみたら、丸くて甘い味だって。 せっかく遠くから来たのに容器を忘れちゃった人は |
今日はお日様が戻ってきてくれたから 昨日の展望台の山にもう1度登ってみることにしたの。 走ってるのは昨日と同じ道なのに、 お天気が違うと気分も全然違う。 葉っぱが散っちゃった後の林も、案外きれいだね。 でも、やっぱり、紅葉の季節に来たかったな。 紅葉の季節の晴れた日に展望台に上がったら さぞかしきれいだったろうな。(未練) 今日は、運動着姿で歩きに来てる人が大勢いたよ。 |
ホットスプリングスからうちまで、素直に帰れば4時間くらいで着いちゃう。 でも、それじゃ面白くないからってM兄ちゃん、 地図を広げて変な「わき道」を選び始めちゃった。 距離はたいして違わないけど、走りにくい道だから時間がかかる。 2日間、ずーっと運転し続けて疲れてるのに、大丈夫なのかなぁ。 大張り切りなのはワニの拓ちゃん。 拓ちゃんは自称「カー・アリゲーター」で、車の道案内担当なの。 でも、得意技は「ありげーた、なびげーた、間違げえた」の3段活用。 拓ちゃんを信用すると必ず迷子になっちゃうんだもん、ちょっぴり不安^^ |
まずはUS70号(ちょっとグレードの低い国道)を南西へ。 林を抜けて、野原の中を突っ切って、 う〜ん、気持ちいい!! ドライブって、楽しいんだねぇ。 どーせならオープンカーでびゅんびゅん突っ走りたい!て 由里姉ちゃんは、ちょっと物足りなそう。 でも、ぼくたち小さくて軽いぬいぐるみは、 たぶんオープンカーは危ないよね。 うっかりしてたら飛ばされちゃう。 窓もあんまり大きく開けないでね、由里姉ちゃん。 それにしても、ああ、この道、どこまで行くんだろう? |
反対車線をこっちに近づいてくる車が、 運転席から赤い旗を突き出してぱたぱた振ってる。 ??と思ってたら、その後をノロノロ走ってきた車が、これ。 荷台にお家を1個積んでる。 トレーラーハウスっていうのはダラスでもよく見るけど お家の大きさはちゃんと道幅に収まるのが常識! でも、これは… こっちの車線の真中まで出っ張ってる。 こっち側が路肩に避けてあげるしか無い。迷惑だよね。 もっと気の毒なのは、こんな車の後ろについちゃった車。 後ろが詰まっちゃってるの、判る? 前がこんなのじゃ、危なくて追い越しもできやしない。 もし、こんな車がこっちの車線からも走って行ったら その2台はどうやってすれ違うんだろう??? |
小さな湖(Lake Greeson)のほとりでおやつ休憩。 また黒い雲が出て寒くなってきちゃったけど 眠気を覚ますには都合がいいの。 このあと、延々と走って、走って、走って、 お昼ご飯は、え、またマクドナルド??? 3日で3回はつらいなぁ。 悲しくハンバーガーをぱくつきながら、 |
US71号を30分くらい北に走って 州道4号で西に曲がると、やがてオクラホマとの州境。 道の脇に「ようこそ」の看板が1つあるだけの なんともあっけない州境越えでした。 3日間走った中で、この州道が1番面白かったな! |
州道がUS259にぶつかって、 あとはテキサスまでまっすぐ南下するだけ。 湖のほとりにも一応寄り道、 でも、ものすごく寒いよ。 お外には出ないで、窓から水を眺めるだけ。 もうすぐ州境、オクラホマともお別れ、って辺りは ぼくのカメラがもっと広角だったら |
この後、夕方になって、雨もザーザー降り始めて、お空は真っ暗。 雷はドンゴロピカピカ暴れてるし、竜巻みたいな怪しい雲も遠くに出てきて US82号西行きは、ちょっとしんどいドライブになっちゃった。 でも、あとは勝手知ったるUS75号を下りるだけ。 おうちに帰ったら、温泉のお湯で紅茶を淹れて、おやつにしたいな♪ クリキントンがあったらいいのにな(笑)。 |
資料 ・Mountain Tower 9時〜。(終了は17時〜21時、夏は遅く冬は早い)大人4ドル。但しありとあらゆる案内パンフに割引券つき。 ・Visitor Center(温泉資料館) 入場無料。 町の公式サイト(英語)→ http://www.hotsprings.org |
最後に、今回の旅行参加者の紹介です。 最終日の朝、展望台のあった山を下りる途中、 見晴らしのいい崖で撮影しました。 1番左がワニの「拓ちゃん」 |
そして、今度の旅で 1番頑張ってくれた大事な仲間、 ぼくたちの愛車「すーぱー草履号」。 とっても乗り心地がよくて、 楽しく気持ちよく旅行ができたの。 誰も乗り物酔いしなかったしね。 帰りは重い水も積んで走ってくれて、ありがとう。 3日間の走行距離、969.4マイル≒1559.8km。 だいたい札幌と鹿児島の間の直線距離くらいです。 本当にお疲れ様でした♪ (あれ? 1番頑張ったのはM兄ちゃんかな?) |
疲れたけど、楽しかったよ!