日刊月刊つん太 2010年(代理執筆・由里)

最古(2000年11〜12月)//2009年//2011年//最新(2014年)の日刊つん太へ
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12月

(サンタは呉れなかった)
金時じゃなくちゃダメなんて贅沢は言いません。サツマイモが手に入るだけで十分に幸せです。
放っておくと夫が天火で焼いて食ってしまうので、先手を打ってお節用の金団に煮てしまいましょう。
消化器外科病院の給食のおばさん(元)は、裏ごし作業は得意とするところです。
但し、サツマイモの繊維がしつこく絡まった使用後の裏ごし器を洗うのは大嫌いです。
煮えたぎる金団で右手親指に結構な大火傷を負った不快な記憶から、金団を煮詰める作業も苦手です。
金団を食べるのは好きですが、使った砂糖の量を思うと暴れたくなります。
差し引きいったいどっちやら。でも取り敢えず、ほぼ毎年作ってる金団です。

金団には、日本から買ってきたクチナシの実を放り込みます。
金団以外にクチナシの使い道を知らないので、年に1個しか減らないクチナシです。
買ったのはずいぶん昔なのに、それでもまだあと10年分くらいはありそうで
いくら乾物とは言え、冷凍庫に入れてあるとは言え、品質が少々心配です。
仕方ない、消費速度を上げてやれっとサツマイモ1本分の鍋にクチナシ2つも放り込んだら
あらあらまあ、毒々しく真っ黄色になっちゃった。
慌てて加熱途上の鍋からクチナシを引き上げて着色を止めます。
小皿の上に、まだまだ色が出そうな使いかけクチナシが2個。
このまま捨てるのは勿体無い、何かに使えないかな。そうだ、ご飯に入れてみよう!
見事な黄色いご飯ができました。
え?サフラン???と、ほんの一瞬だけ騙された夫。
クチナシの黄色とサフランの黄色じゃ全然違うし、香りだって勿論ないし、次の瞬間にはバレましたけど。
てか、そもそも騙すつもりで着色したわけじゃありませんし。
でもその夫の一瞬の反応を見てひらめいた、クチナシ消費料理のあいであ。
竹輪とかカニカマとかシラスボシとかを炊き込んだクチナシご飯。名付けて「びんぼーパエリア」。
缶詰のアサリ、冷凍の鮭くらい入れたら十分にご馳走です。
あは、パエリア鍋、欲しいなあ…


Wii???
2月にちらとご紹介いたしました。カワウソ(river otter)のぬい、「すち坊」。
ええと、ダラス・スターズにOttという姓の選手がおりまして、彼の愛称がOtterでありまして、
だからこのカワウソはOttの「分身」なのです。
…「分身」と思っているのは私と夫だけ。当のすち坊自身は「我こそが本物のOtt」という認識でいるようです。
「ホッケ選手はよ、体が資本だからよ。栄養つけなきゃならんからよ。美味い物食わせろ」とか言うし
試合のあった晩は図々しく寝床に潜り込んできて「俺よ、仕事してきて、疲れてんだ。休ませてくれ」とか言うし
(本物の)Ottが決めた華麗なゴールでチームが勝利した夜は
「俺ってやっぱりカッコいいよな」とか言って「本日のハイライト」動画を延々と見てるし
なんだか微妙にぼけ老人風味^^ かわいいですけど。

ある日の試合で、(本物の)Ottがパスを受け損ねて好機を潰す場面がありました。
スターズの大量得点で既に(ほぼ)決着がついている試合で、少々のドジは寧ろご愛嬌と言える雰囲気で
テレビ観戦していた私たち夫婦も(ぬいぐるみの)Ottにちょっかいを出して笑うくらいの余裕はありました。
が、(ぬいぐるみの)Ottは、自分の(?)失敗をからかわれてムッとしたようで
「うるさいなあ、俺いま仕事中なんだ試合中なんだよ、邪魔すんな」とご機嫌斜めです。
………はあ????? 「俺」「いま」「仕事中」???
「あそこで今、ベンチに戻って水のんでるの、あれ、お前か?」
「見りゃわかるだろ、俺だよ」
「あそこにいる彼がお前なら、ここにいるお前は誰なんだ?」
「!?!?!?!?!?!!!!!!!」
あわれ(ぬいぐるみの)Ott、それからまる2日間も「俺は誰なんだ」の自問自答を続け
すっかりやつれてしまいましたとさ。

(そしてその後結局「俺は俺。本物の俺。テレビの中にいるのは俺の分身」という結論に達した様子です。
「俺」がホッケー・スティック型のゲーム・コントローラーを振り回すことで
テレビの中の(つまりは競技場の)Ottを自由に操作できるのだそうです。
そういう答えを出して以来、(ぬいぐるみの)Ottは玩具のホッケースティックを片時も手放さなくなりました。
あ、うちにはWiiだのなんだのというハイテク玩具はありませんので。
(ぬいぐるみの)Ottが持ってるのは、先端が少し曲がったただの木の棒です^^)


てことで来年もよろしく
世間は大晦日です。
我が家の昼食は例年通りに「緑のきつね」。
本当は、どん兵衛の方が好きなんですけどね。
なのに何故だか、私の知る限り、ダラス地区ではどん兵衛を売ってる店が無い。
まあ蕎麦であることには変わり無し、カップうどんやカップラーメンの年越しよりは幸せです。ずぞぞぞぞ。

私の夫は日本生まれ日本育ちの日本人です。
なので、夫婦2人の食卓で蕎麦を音立ててすすっても何も問題はありません。
自宅での食事時は、うどんもラーメンも(ときにはスパゲチも)ずるずるずずーっと食べられます。
が、外食の場合はなかなか厄介です。
同じテーブルで顔を突き合わしてる相手は夫ですから、これは気にかけなくても宜し。
しかしながら、よほど空間に余裕を持たせた高級店でもない限り、背中合わせに他人がいます。
手を伸ばせば届きそうな隣にも他人がいます。
その人が「すする」文化を共有する私たちと同じ日本人なら良いですが、そうでないことの方が多いです。
見た目は日本人のようでも、実は東アジアの別の国の人かもしれません。
アメリカで生まれ育ってアメリカ流の行儀作法を身につけた日系アメリカ人かもしれません。
そういう方たちに「ずるずる」を聞かせるのは、少々申し訳なく思うのです。
「郷に入りては郷に従え」という言葉が日本にはあります。
ジャパニーズ・レストランの暖簾をくぐったらその先は日本。
日本のナワバリ内で日本蕎麦を日本式に音立てて食って何が悪い、とも思いますが
(基本的には厚顔無恥なくせに)いらないところで小心者な私としては
やっぱり周囲のガイジンさんを気にして箸で蕎麦を口の中に押し込む形になってしまうわけです。
ああ、いっそフォークで巻いて食べる方がまだラクだわ。

先日、テレビで料理番組を見ておりましたら。
番組のゲスト出演者(アメリカ人)がベトナムの麺(Pho)を食べていました。
右の手に、結構上手にお箸を持って。丼の中の麺を少しつまんで。持ち上げて。
箸から長く垂れ下がった麺を「ひょいっ」と左の人差し指で掬い上げ!くるくるくるっと箸に巻きつけて!!
そして一口で「ぱくっ」と麺を食べたのでした。
…音を立てまい立てまいとモソモソ(結果まずそうに)蕎麦を食うより、もしかして、よっぽどスマートかも。
機会があったら真似してみようかな。熱々ラーメンじゃ火傷しそうだけど。



てなわけで、本年も1年間、ありがとうございました。
来る年が、アナタやアナタの周りのひとびとにとって、幸せなものでありますように祈っています。


11月

Ms.Hanako
MLB、テキサス・レンジャーズの2010年は、あっけなく終わりました。
サンフランシスコ・ジャイアンツに1勝4敗。チーム初のワールドシリーズ制覇はなりませんでした。
ちょっと口惜しい。ええ、ちょっとだけです。所詮は「にわか」でしたから。
何十年もずっと本気でレンジャーズを応援し続けてきた人たちとは気持ちのありようが違います。
ただ、ああ優勝パレード見逃しちゃったな〜って、その程度のことです。
例え今後30年間レンジャーズに次の運が巡ってくる機会がなくても
そしてそのまま、遂にレンジャーズ優勝に立ち会うことなく日本への引き上げが決まってしまっても
私はたぶんそのことをさほど残念には感じないでしょう。
が、しかし。

我らがダラス・スターズの主将がその頭上に高々とスタンレーカップを掲げる姿をこの目で見ないうちは
私はダラスを離れることなんて絶対にできません。
日本には戻りません。日系老人ホームのある西海岸に移ることもしません。
私のスターズが優勝してくれるまで、私はダラスで年を重ねていく覚悟でいます。
だけど、それでもホッケーの神様がスターズに微笑んでくれなかったら、私はどうすれば良いのでしょう。
スターズに「その日」が来る前に私の体が「その日」を迎えてしまったら。死んだって死に切れません。
もしもNHLの優勝が完全な輪番制であるならば、30年に1度は優勝当番が回ってくる勘定です。
スターズの前回優勝は1999年でしたので、計算上は2029年にはそのときが来るべきです。
でもまさか、もしも、決してあってはならないことですが、万が一「番抜かし」されてしまったら???
私は成仏できずに我らがホーム・アリーナであるアメリカン・エアラインズ・センター(AAC)の地縛霊となり
そして、……いつか、AACのトイレの花子さんになるかもしれません。
スターズの試合日、3階東の女子トイレに何十年も前の古い意匠のジャージを着たアジア人老女が現れて
思い詰めた表情で「スターズ、今日は勝てそう?」って尋ねるの。
「うん、2ピリ終わって今5−0、もうヨユーだよ!」と言ってあげると女は満足そうに笑って姿を消すんだ。
でも「駄目、今日はゴーリーの調子が最悪。攻撃陣もぼろぼろだしさ」なんて答えてしまうと
その人は………う〜んどうしよう、私はスターズ・ファンに危害を加えたくないぞ^^
てか、この話には根本的なムリがあって
その花子さんとトイレの利用者は、どこの国の言語で会話をするんでしょう。
馬鹿は死んでも治らない。例え幽霊になっても私はきっと日本語以外は操れないだろうと思うんですが^^;
日本人または日系人(日本語を話せる人)だけに見える不思議な花子さんになればいいのかな??
いやいや、スターズがさっさと優勝してくれさえすれば、こんな面倒な心配は不要なんです。
だから、Go, Stars, Go!!!


レンジャーズの活躍の陰で
地元ニュースでも殆ど報道して貰えず、笑っちゃうくらい全く目立たなかったけど
FCダラス(MLS=メジャーリーグサッカー、プロサッカー)だって頑張ってたんです。
96年のチーム創設(リーグ創設)以来初の西地区優勝。
でも、チーム創設以来初のリーグ優勝にはあと少しのところで手が届きませんでした。
前半35分に先制したのはウチだったのに、後半で追いつかれ、
そして延長後半、まさかの自殺点。あああ……
だいたい、外気温5℃のトロントでの試合って、ダラスには不利すぎるよな。
相手は東地区の覇者コロラド・ラピッズ(*)、寒いのには慣れていやがるんだ、くそお。
コロラド出身ナキウサギのコロちゃんは「コロラド・ラビッツが勝った!」て大威張りで
いや、チーム名はRapidsだから。Rabbitsじゃないから。ウサギさん関係ないから。
そう訂正してやっても聞く耳持たずのコロ…あまりに鬱陶しいので箪笥の引き出しに幽閉してやりました。
でもまあ、とりあえず1歩は前進したよね。
今まで、リーグ発足時からある9球団の中で地区優勝経験が一度も無いのはダラスだけだったのですが
来年からは胸張ってスタジアムに優勝旗を揚げられます。おめでとう、FCダラス。
来年は、今年取れなかったあの優勝杯を持って凱旋パレードできるよう祈ってます。

 *東地区、優勝がコロラド、準優勝サンホセ(カリフォルニア)って、いったい何の冗談だ。
 東のチームが余りに弱すぎ表彰に値しないので西地区が東の優勝杯も戴いちゃいましたって感じらしい。
 ひでえ仕組みだ(笑)


もっくんは好きですが。
学習能力に欠けてるのか、寄る年波のせいで記憶力が低下してきているのか。
今までに散々涙を飲んできた筈なのに、懲りずに今年も掴まされちゃいました、シブガキ。
騙されて買わされたわけじゃありません。売り場にはちゃんと「ハチヤ」と明示されていました。
「渋抜き済み」とか「とろける甘さ!」とか虚偽の宣伝文句が書いてあったわけでもありません。
なのに、何故、買う、夫よ。
家に帰って皮を剥いて、一口齧って口ひんまげて
半べそかきながら残りをウォトカに漬け込んで一週間。
毎度のように、外側は酒臭くて食べられない。内側は未だ渋くて食べられない。
せっかく「ぬるぬる」一歩手前の私好みの硬さなのになあ…くすん。
米ぬかに埋めるとか林檎と一緒に密封するとか、来年は別の渋抜きを試してみよう。
(きっとまた買うだろう見込み)


10月
(*10月29日に書き終えました、それ以降の出来事には対応していません)

今月の庭
去年の秋と今年の春の地道な努力が実を結んだか、この秋はまだ憎きタンポポが私の庭に出てきません。
くそ暑い中、蚊に食われつつ、真っ黒に焼け焦げつつ、朝昼夕と裏庭を巡回しては見つけたタンポポを引っこ抜き。
うまく抜けずに残ってしまった曲がった根には古いハサミの刃をグリグリとねじこんでほじくり出し。
本当は念を入れ、ほじった後の穴に熱湯を注いで完全に息の根を止めてやりたかったけど
ここ数年は物忘れが酷く、やかんを火にかけたまま草取り始めて熱中してしまいそうで怖いので、これは我慢。
芝や地中のミミズさんたちにも悪影響ありそうだしね。
かわりに庭に植えた殆ど全ての植物を半年〜3年で枯らしてしまう見事な「茶色の親指」で呪いをかけて。
苦労した甲斐はありました。忌々しい綿毛を見ないで済んで、この秋の私は幸せです。お庭の神様ありがとう。
ホトケノザもカタバミもヒメジョオンもほぼ制圧し、来春の課題は芝の育成。加えて蟻と蜂の駆除ですね。
そして……ううう……前庭もいい加減そろそろ何とかしなくっちゃ。
本当は裏庭なんか放置してもいいから前庭を先に整えるべきなのですが
昼間1人で草をむしっていると何やかんや話しかけてくる近所の人がたくさんいて
対人恐怖症に近い程の人見知り+いまだ英語ちんぷんかんぷんな私は前庭に出ようとすると足が竦み
伸び切った雑草は気になりながらもむしりに行けなくて
いっそ夜中に、懐中電灯を額にくくりつけて前庭の雑草と闘おうかな。
それなら声をかけてくる隣人もいないでしょう。(お巡りさんに話しかけられたらマズイな^^やっぱ駄目だ)

ピカンの実は、今年は全滅。
病虫害には強いはずのピカンだったのに、果肉に産卵しやがった虫がいて
黒い穴のぽつぽつ開いた果肉を試しに1つ割ってみたら中に蛆虫が湧いていて
きっとたぶん殻の中の実は無事なんでしょうけど、気分が悪くて食べられない。
思い切って全処分いたしました。正体不明の虫のばきやろーーーっ!

イチジク。なんでだか、こんな季節に実をつけています。
夏の盛りに半分枯れた感じで葉っぱが全部落ちてしまい、秋に少し涼しくなって新しい若葉が出てきた、
この状態をイチジク自身が「春」と誤認したのでしょうか。
今が秋であること、次に来るのは冬であることにイチジク様がいつ気づくか、それが問題です。
大きな甘いイチジクができるまでイチジク様が騙されたままでいてくれると良いのだけど。


Go Rangers!
MLB(メジャーリーグベースボール=大リーグ)のテキサス・レンジャーズ。
球団創設50年目にして初のリーグ優勝。おめでとう。
夫が見た地元のテレビニュースには、百十何歳だかのお婆ちゃんが出ていたそうです。
「私はね、この瞬間を、ずっとずっと待っていたの」
うわああ……。とても失礼な言い草ではあるけど、これでもう、いつ死んでも悔いは無い感じかな。
んにゃ、レンジャーズはまだ、アメリカン・リーグの覇者になっただけ。
リーグ制覇の後にはワールドシリーズが来る。
ナショナル・リーグの勝者サンフランシスコ・ジャイアンツをがつんと倒して、全米優勝しなくちゃいけない。
それを見届けるまでは。お婆ちゃん、がんばれ。

さて。アメリカン・リーグには現在3地区14球団が所属しますので
もしもリーグ優勝が完全な輪番制であったなら、14年に1度は優勝当番が回ってくるはずです。
50年の間にチーム数は増加してきていますので、昔のお当番はもっと頻繁だった理屈です。
なのに、50年目で、初。
そもそも、リーグ優勝決定戦に出場すること自体が50年間で初めてでした。
リーグ優勝決定戦への出場権をかけたデビジョンシリーズでの1勝が1996年10月1日以来14年と5日ぶり。
ちなみにその14年前は1勝した後3連敗してシリーズを終えました。
それ以外の2度(1998、1999年)のデビジョンシリーズは0勝3敗でした。
つまりは我がレンジャーズ、デビジョンシリーズ9連敗中だったことになります。
そして1999年以降は、輪番制なら4年に1度は巡ってくるべき西地区優勝も1度もしていません。
ワイルドカードでのデビジョンシリーズ出場さえもできませんでした。
ずっとずっとずっとずっと低迷しっぱなし、いわゆるリーグのお荷物ってやつです。
そんなぼろぼろ球団に、今年はいったいどんな奇跡が起きたのか。
基本的にホッケーの人で野球にはほとんど関心のない私には
去年のレンジャーズと今年のレンジャーズのどこが違うのか全くわかりません。
でも、きっと何かが違ったんでしょう。
おめでとうレンジャーズ。地元民として、とってもとってもとっても嬉しいよ。
私ら夫婦がダラスに来て11年、地元チームの全米優勝に立ち会った経験はまだ1度もありませんし*
ここは是非ともレンジャーズが全米ちゃんぴょんに輝くところをこの目で見たいものです。
現在(10月29日)、レンジャーズはワールドシリーズ0勝2敗。ちょっと厳しい星勘定ではありますが
この機会を逃したら、次はまた50年後まで無いかもしれない。
あのお婆ちゃんをそれまで待たせるわけにいかないでしょう?だから、頑張れレンジャーズ。
地元商店の優勝記念セールという慣習がないらしいのは残念ですけど、力いっぱい、応援してます。
 *テキサス州知事が大統領に当選したときは既にダラス住人だったけど……あれって全米優勝??


が、しかし。(Go Rangers!2)
私は根本的にアイスホッケーの人です。
レンジャーズの快進撃は嬉しいけれど、それは私にとっては所詮、裏番組。
「表」のホッケーを諦めるわけにはいきません。
かと言って50年に一度の歴史的な出来事を見逃すのもしのびなく
仕方がない、普段は使っていない古いテレビを引きずり出してきて居間に新旧2台を並べて設置しました。
右の目で大型デジタルテレビのホッケー観戦、左の目で小型アナログ野球観戦です。
あっちは絶体絶命の窮地に追い込まれてるのに、こっちは追加点でウハウハ♪で
右拳を突き上げて歓喜の雄たけびをあげながら、左手で頭をかきむしる。
ときにはレンジャーズの暴投に間違えて拍手をしちゃったりもして、忙しいったらありゃしない。
ディスカバリー最終飛行の打ち上げ(11/1)や中間選挙の開票速報(11/2)が被らなかっただけマシだわね。

ワールドシリーズ第2戦終了後のニュースでは、「野球と重なってしまったホッケー会場の様子」を報じていました。
レンジャーズに客を取られ、我らがスターズのホーム・アリーナは悲しいまでに空席ばかり。
疎らな客が手にしているのは携帯電話・iPodの類(縁がないので詳しくは知らない)、
皆、ホッケーそっちのけで掌の中の小さな画面を覗き込んでいます。
がらがらの会場の中、廊下の小型テレビ(野球生放送中!)の前だけが黒山の人だかりになっていました。
……明日(30日)のホッケー、対バッファロー戦は、私たちも前売りを購入済みです。
ほぼ同じ時間帯に、レンジャーズのワールドシリーズ第3戦も行われる予定です。
私たち夫婦は動画が見られるような高機能な小型通信機器は持っていません。
ホッケーの試合中に廊下で野球を見るなんて、スターズの選手たちに失礼なこともしたくありません。
でも、私たちの席の、氷を挟んだ真正面には報道記者席があります。
私の席から双眼鏡で覗くと、記者席に置かれたテレビがとてもよく見えます。
きっとそのテレビでは野球を放送していることでしょう。
…せっかく行くのだから、ちゃんとホッケーを見て来ようと自分にきつく言い聞かせています。


No Candy, Sorry(Go Rangers!3)
ハロウィンの晩は、ワールドシリーズ第4戦と重なります。
うまくいけばレンジャーズが2勝2敗に追いつけるかもしれない大切な日です。
(下手をすれば0勝4敗でシリーズが終わる、別の意味で大切な日になってしまう可能性もあります。)
ダラスの人々は皆、テレビの前に釘付けでしょう。
…と。
仮装をした子供たちが扉を叩いて回っても、家の人はテレビに夢中で玄関まで出てきてくれないかもしれません。
それ以前に、幼い子供は単独で菓子狩りに出ることはできず、必ず親が付き添うわけですが
ひょっとして自分が家で野球観戦していたいがために我が子に外出を諦めさせる親もいたりして。
まだ野球に興味のない小さな子どもには少しかわいそうなトリック・オア・トリートの日になりそうです。
え、うち?ですか? はい、今年は居留守することに決めました。
日本帰国して本当に留守だった年は1度あるけど、留守の振りをするのはこの家に越してきてから初めてです。
玄関に生卵ぶつけられたりしないか、ちょっとだけびくびくしています。
莫迦(Go Rangers!4)
期間限定大活躍中のレンジャーズ選手たちの間で、「アントラーズ」というポーズが流行しています。
頭の横、耳の上あたりで左右の手のひらをシカの角(アントラー)に似せて広げる構えです。
盗塁など、機動力を生かした攻撃が成功したときにこの構えをとり
シカのようなすばしこさを誇示する、ということらしいです。
デビジョンシリーズが始まる頃からファンの間にもこの構えは浸透し
球場に応援に行く観客たちがシカの角の被り物を頭に乗せるようになりました。
厚紙をそれっぽく切っただけの即席お手製の角あり、クリスマスのトナカイ帽子の流用あり、
これは商売になる!と、すぐさまウレタン製のシカの角が作られて球場売店に並べられ、シカの角は大人気です。
ででででも。

この流行に乗った球団が、チーム・マスコットにシカの角を乗せたりすると、少し困るんです。
或いは来期から新しくシカのマスコット「アントラーくん」なんてのを導入し
既存のマスコットと2人マスコット制をとったりしても良くないです。
だって。我がレンジャーズのマスコット「レンジャーズ・キャプテン」は、ウマなんです。
シカの角を頭にのせたウマ。或いは、仲良く肩組んで立つマスコットのウマとシカ。
アメリカ人にはわからないでしょうけど。日本人が見たら笑うしかありません。
日本でテレビ観戦してる人たちにウマシカ・レンジャーズと嘲笑されるのは辛いので
お願い、キャプテンにシカの角を被せないで。


9月

さあホッケーの季節です
公式戦が始まるのは10月半ば、まだまだずっと先ですけど(ああ待ち遠しい)
でも、開幕前の行事のあれやこれやは既に目白押しな9月です。

まずは恒例、1軍(予定)選手ほぼ勢ぞろいのサイン会。
但し、せっかく全選手が揃っても、限られた時間の中では毎年3組6〜7人のサインを集めるのが精一杯です。
誰を貰うか、誰を諦めるか、質か、量か、いかに攻略するかが毎年のことながら大きな悩みになります。
Richardsは来年当たりもっと高給くれるチームに移籍しちゃいそうだから今回が最後の機会?だし。
今年の新加入Lehtonenのサインも絶対欲しいし。と、ここまでの2組4人で1時間20分くらい消化予想。
余った時間でBennに並ぶと1時間45分…残り15分ではErikssonは絶対無理だな。Niskyもきついかな。
Bennを来年に回せばその分の時間でNiskyとSutherbyと2人狙えるかしら。
選手の人気を値踏みし、必死こいて作戦練って、いざ当日。
まさかのびっくり大収穫です。例年と同じ2時間で、なんと参加22選手中18人のサインが貰えちゃいました。
…これは、本気でチームを愛する人間にとっては、実は結構悲しいことだったりします。
今年の行列がどれだけ短かったか=どれだけ客が来なかったか=どれだけチーム人気が凋落したか、ですもん。
2年連続でプレイオフ出場を逃した弱小チームをどれだけのファンが見捨てたか、ですもん。
ModanoとTurcoを放出して、Lehtinenまで引退しちゃって、もうStarsはお終いだあ。ぐすんぐすん。
まあ、通常手段で切符が買えないような超人気チームになられても困りますけどね。
とにもかくにも。去年までに獲得した分と合わせ、これで主要選手のサインはJ.Neal以外ほぼ全部揃いました。
(Nealは今期の契約手続が完了していなかったため今年のサイン会欠席…残念。来年に期待。)
我がスターズの選手&元選手38人のサイン46個(重複あり)でびっしり埋まったジャージは私の宝物です。
もしもこの家が火事になったら、あるいは竜巻進路直撃にあたったら、このジャージを抱いて逃げましょう。
(お・俺は抱いて逃げてくれねいのか!)(ぼくたちはー??)(私私私はどうなるの?)(わーわーわー)
↑抗議の大合唱byぬいぐるみ

近郊の町のチーム練習施設で行われる公開練習を見物に行くのも毎年の楽しみなのですが
今年の練習はカナダはプリンス・エドワード島(PEI)で合宿を張って行なうことになってしまいました。
ダラスからPEIまで直線距離で3200km(東京から重慶、海南島、イルクーツクくらいの距離)、
よほど暇とカネが余ってる人以外、そんな遠くまで練習見物に行けません。地元ファンは少し怒っています。
チームの主力選手2人がPEI出身で、どうもその関係で費用まる抱えで招致されたらしいけど
あんな国際規格のリンク(NHLリンクと横幅が違う)じゃ練習にならんでしょうが。ぶつぶつ。
でも、練習の仕上げの紅白戦の様子を記録した動画をチームサイトで見たら、ちょっとだけ気が変わりました。
所詮は紅白戦なのに、練習なのに、リンクの客席はかなりの人が入っていて
プロの試合を生観戦する機会などあまり無いのだろうPEIの子供たちが大歓声をあげていて
うふふ、これでスターズはPEIの人々のハートを鷲づかみだあ。
きっと後日「御礼」のPEI名物・赤毛のアン饅頭が山ほど届いて、試合の入場者全員に1つずつ配られるぜ。
タンクローリー30台分のメイプルシロップが送られてきて、会場内ではメイプル食べ放題飲み放題、
洗面所の蛇口からもメイプルシロップが流れ出るようになるぜ。うしししし♪ (妄想竹の林)
(PEIの特産はジャガイモなんでねえ…せいぜいハンバーガーの脇の芋が増量になる程度じゃあないかと
それでもまだ取らぬ狸)

合宿を終え選手がダラスに戻ってきて、プレシーズン戦(日本のプロ野球で言うオープン戦)の始まりです。
これも例年通り、競技場での朝の公開練習に足を運び、夜の試合の入場券を無料で貰ってきました。
今年手に入れたのは1階正面席、なんと額面150ドルの切符。
一般に販売されている座席としては会場内で2番目にお高い区画です。
(1番高いのはリンクからは少し遠いけど氷面全体が見渡しやすい2階席で「時価」。
この他に、普通には買えない、特殊なコネで融通して頂く以外ないので料金表には載ってない席があります。
ちなみにいつも私たちが座る3階天井桟敷席は当日価格で15ドルです。)
もう何年も前に1度だけ「清水の舞台から飛び降りたつもりで」1階席を買ったことがありましたが
それは同じ1階でも位置が悪い、ビミョーに試合が見にくい70ドルの席でした。
プレシーズンとは言え、1階正面特等席で観戦できるなんて夢のようです。
尤もそんな良い席の切符を無料で放出するにはそれなりの理由がある訳で
おそらくは端から2席ずつ売っていって最後に残った半端座席だったのでしょう、
私たちの貰った2枚の切符は「X列13番」と「Y列4番」というバラバラの席でしたが
それでも、私にとっては太平洋横断の飛行機のファーストクラスよりも価値のあるスターズ戦1階席です。
実は同じ試合の3階30ドル席で連番の切符も持っていたのですが、バラバラ承知で迷わず1階に入りました。
結果的には、空いてるもっといい席にでも勝手に移動したのか、Y列5番の人が来なかったので
4・5番席で並んで観戦できちゃいましたけど
例え離れ離れのままになっても後悔はしなかった。1階正面席は素晴らしい席でした。
あああ、1度でいいからあんな席で公式戦を見てみたいなあ。
夫がノーベル賞でも取ったら賓客としてご招待にあずかれるかしら。頑張れ夫。
…試合は、5対2で勝利しました。
1ヶ月も前から場外で盛り上がっていたイワクつきの喧嘩(敵のCamJanssen対ウチのBarch)も見られて大満足。
このまま公式戦も突っ走って、最終成績でも私を満足させてくれることを心から望みます。


あやかりたい
テキサス・レンジャーズ(MLB)、11年ぶり地区優勝。11年ぶりデビジョンシリーズ出場。
おめでとう、レンジャーズ。
今年こそはぜひとも、デビジョンシリーズ悲願の一勝を。
そしてその運を私たちに分けておくれ。

但し。レンジャーズと我がスターズは数年前まで同じオーナーの所有する兄弟チームでした。
オーナーが変わって互いに無関係なチームとなった今も、遠征用の専用機は共有しています。
レンジャーズがデビジョンシリーズ(及びそれに続くワールドシリーズ)に勝ち残っている間は
専用機使用はレンジャーズが優先になり、我がスターズは借り物の飛行機で移動しなくちゃなりません。
折角だからレンジャーズに好成績をおさめて欲しいような、飛行機を早く返して欲しいような、
スターズ・ファンの心境はなんとも複雑です。


呪いの薄揚
ずっと昔、まだ私たち夫婦が日本で平和に暮らしていた頃。
ある日の夕食に「袋煮」を作りました。
薄揚の中に炒豆腐とか挽肉とか生卵とかお餅とかを詰めて口を干瓢で縛って煮る、アレです。
本を見ながら初挑戦!だったのですが、実に見事に綺麗に出来上がりました。
ところが、夫が帰ってこない。
帰宅予定時刻を30分過ぎ、1時間過ぎ、それでも夫は帰ってきません。
煮物は何度でも温め直せばよろしい。寧ろ美味しくなります。
でもご飯が冷めたのはどうしてくれましょう。(私は鍋で炊飯します。保温ジャーは持っていません)
せめて「遅くなる」と連絡をくれればいいのに、それも無し。空腹の私はとっっっっても不機嫌です。
結局夫は1時間半くらい遅れてようやく帰宅しました。
人身事故で電車が止まり、車内に缶詰にされていたそうです。
駅と駅の間で停まってしまったため、降りて電話を入れることもできなかったそうです。(携帯電話普及前)
要するに夫には全く非は無いのですが、でも、空腹が限界を超えてしまっていた私の怒りは大爆発し
さんざんな晩飯となりました。せっかく美味しくできた袋煮だったのに。

初めて作った料理にそんなケチがつき、しばらくの間は袋煮どころか薄揚を見るのもいやなくらいでしたが
よく考えれば薄揚には罪は無い(夫にも罪は無い^^)、ので数ヶ月後にもう1度袋煮を作りました。
今度は夫、いつもの時刻にちゃんと帰ってきました。
夫の自転車がアパートの前のドブ川の金属の蓋をガチャン・ガチャンと乗り越えてくる音を私は聞きました。
(自転車の速度やタイヤの材質/硬さ等の違いから、他人の自転車の音とは100%の精度で聞き分け可能です)
自転車をアパートの駐輪場に詰め込んで、駐輪場から我が101号室までは徒歩1分…
……なのに。自転車の音から2分経っても3分経っても玄関が開きません。
さんざ待って待って待ってやっと聞こえた夫の声は「ただいま」ではなく「保険証!!」
夫、家の前で、犬に噛まれてました。
向かいのお宅の小型犬、夕方はよく飼い主の監視下で引き綱外して放牧されてたのですが、こいつに「かぷっ」と。
平謝りの飼い主さん曰く、予防注射を済ませてあるので狂犬病の心配は無いけれど
傷が小さくて深いので破傷風等の危険があるかもしれない、念のため今すぐ一緒に病院に行きましょうと
つまり、夕飯おあずけ。
煮物は温めれば美味しくなりますが、冷めたご飯をどうしよう… 袋煮なんか嫌いだ。
(あ、もちろん夫の怪我は深刻な事態にはならず、翌日に大きな菓子折りを頂いて私はゴキゲン♪なのでした。)

でも、世の中には3度目の正直という言葉があります。きっと次こそは美味しい幸せな袋煮を食べられるでしょう。
懲りない由里さん、銀杏や百合根を入れたいつもより豪華な袋煮を、持ち寄りパーティーのために作りました。
(休日のパーティーなら「夫が帰って来ない」状況に陥る恐れも無いだろうという計算もありました)
20個ほどの袋煮の口を縛り終えて鍋に入れた頃、電話が鳴りました。
「主催者一家がひどい風邪をひいて全員寝込んじゃった。パーティー中止」
2度あることは何とやら、でしたか。ボーゼンのわたくし。
20個の袋煮を2日掛かりで片付け、もう金輪際、一生、死ぬまで、袋煮なんか作らないぞと心に誓ったことでした。
もうずーっと昔、10年以上前のこと。


先日、夕飯の支度をしようと大きな中華鍋を火にかけました。
隣の五徳には翌日に使う予定で下ごしらえ中の小さな片手鍋が乗っていたのですが、これが少し邪魔。
炒め物の油が飛んで入ったりしてもいけませんので、小鍋は一時的に調理台の方にでもよけておこうとしたら、
何故だ、何がどうなってるんだ、小鍋の柄は常識では考えられない恐ろしい熱さになっていて
ぎゃおおおおおおっ
咄嗟に鍋を放り出しゃあ良い物を、鍋の中身が勿体無くてついついそっちを優先した挙句、右の手のひら大やけど。
凄まじい痛みに一晩苦しみ、翌朝までには巨大な水疱ができてしまいました。
私に怪我させた小鍋の中身は、甘辛く煮付けたお稲荷さん用の薄揚。
せっかく美味しく煮けたのに、紅ショーガだって漬けてあったのに、
水疱のできた手では米を研げず、寿司飯を炊けず、お稲荷さんは作れずじまい。薄揚はそのまま冷凍です。
袋煮の呪い、ついに「薄揚の詰め物料理全般」にまで拡大しましたか。
このまま更に、油揚げの味噌汁やヒジキと薄揚の煮物なんかまでが対象になっちゃったらとてもいやだな。
ましてや厚揚、普通の豆腐、枝豆や納豆や味噌醤油にまで被害が及んだらどうしましょう。
次回帰国時にどこかでお祓いでもして貰おうかしら???(…伏見稲荷大社とかで)


火傷余談
薄揚の入った熱い熱い鍋を五徳の上に無事に下ろした後、私は勿論すぐさま流し台に走りましたさ。
蛇口をひねって出てきたのは。
体温とそう変わらない温かな水でした。
お湯の栓をひねったわけじゃないのよ。水だけしか出ないようにしてあるのに
9月になってだいぶ涼しくなったとは言え、まだまだ最高気温は35℃を超えるテキサスの、水道水は温かい。
もしも私がアラスカやカナダに住んでたら、掌の水疱はここまで大きくならなかったかもしれない…
(傷はその後ほとんど痕も残らず綺麗に回復しました、Pastelほか日本の洋菓子店の保冷剤のおかげです。
感謝をこめて次回帰国時も必ずプリンケーキを購入いたします。ありがとう。)


8月

この夏は、モンタナ州にあるグレイシャー国立公園に行ってきました。
山の上に氷河があって、雪解け水の大きな湖が…って、これ前にも言ったっけ?
出発点はワシントン州のシアトル。ここまでは普通に飛行機で移動です。
そこから長年の憧れだったアムトラック(大陸横断鉄道)に乗ってグレイシャーへ。
夢の食堂車で晩飯を食べ、寝台で1泊、朝飯もまた食堂車で(るんるん)。
公園に着いてライジング・サン地区でまず1泊、メニー・グレイシャーに移って3泊。
公園の北端はカナダ国境、折角なので半日だけ「外国旅行」も楽しみました。
帰りの電車は途中駅で切り離され、私たちの車両は支線に入ってオレゴン州ポートランド到着です。
夫は何度か出張経験ありですが、私にとってはこれが初オレゴンでした。(踏破36州目♪)
そしてそこから飛行機でダラスに戻る…という行程で
飛行機と電車、違う会社の違う乗り物の乗り継ぎは予想外の事故が生ずることが容易に予想できるので
万が一の際に対応しやすいように念のためシアトルとポートランドでも各1泊とって、合計8泊9日。
なんだか年々日数が伸びて行くのは、きっと年々体力が落ちているから。
若い頃なら4泊5日で回れた場所に、6日7日とかかってしまうから。
体力に合わせて行く先を削るって発想に欠けるのが困ったことだと思います。


出発
長々と書いたんですが。
旅の話の本筋とは全く関係ない筈のこの項目が一番長くなってしまって。
読んでる方は恐らくそう興味もない、参考になる訳でもない話でしょうし、思いきって全文削除。
でも、これだけは声を大にして叫ぶぞ。
シアトル-タコマ国際空港は、私ら夫婦にとって鬼門空港・西の横綱だーっ。(東の横綱はシカゴ・オヘア)
電車でGO!
シアトルから今回の目的地グレイシャー国立公園まで、実は飛行機なら1時間半程度の距離なんです。
それをわざわざ片道650マイル(1000km強)、16時間半も電車に揺られて行こうってんだから、全く酔狂なこってす。
てか、本当はダラス発シカゴ乗り継ぎグレイシャー行き、片道52時間の電車旅に挑戦したかったのですが
アメリカの(日本以外の)中/長距離列車には今まで1度も乗ったことがないので
電車の揺れ具合や座席の座り心地、洗面所の清潔度、車内の治安などが少々、或いは非常に心配で
いきなし丸2日以上の予約を入れるのは幾ら何でも冒険しすぎかなーと、16時間半で我慢したんです。
シアトル←→グレイシャーは全米屈指の景色を誇る路線(区間)、一度は見ておけって話も聞きますので
まずは試しに、シアトルからグレイシャーまで、アムトラック、エンパイア・ビルダー号で出発!進行!!

事前調査によれば、二等寝台個室の中は非常に狭くて大きな旅行鞄など置く余地は無い様子です。
ので、車内で必要な物だけをリュックに移し、スーツケースは預け入れ。身軽になって乗り込みます。
でも、私たちの乗る車両はいったいどれだ。
日本のように「雷鳥9号6号車(自由席/禁煙)」なんて表示板がホームにぶら下がってるわけじゃありません。
不慣れな乗客は切符を持って長い長いホームを右往左往。
駅員さんに尋ねようにも、同じく自分の車両を見つけられない客が大勢群がっていて
なかなか自分の番が回ってきません。
やっとのことで831号車を探し当て(*831両以上の大編成な訳では無いぞ)既にへとへと。

私たちの10号室は2階の進行方向左側にありました。
畳1枚より僅かに広い程度の部屋に、向かい合わせに座席が2つ。
座席幅・足元の空間共に「飛行機よりはマシ」な感じの居住性、入り口の扉を閉めると少し閉塞感がありますが
幸いに通路を挟んで向かいの9号室は空室らしいので、開け放しでも他人の視線や話し声は気になりません。
このまま、扉は開けたままにしちゃいましょう。そしたら9号室の窓からあっち側の景色も見えるしね。
そして午後4時40分、ほぼ定刻、電車が動き出します。
発車ベルも発メロも無し、そのかわりけたたましい警笛つきです。旅情ありすぎ。
 
 左:2つの座席の間にある灰色のプラスチックの板を引き出すとテーブルになります。
  チェス/チェッカーに使える升目が引いてあったけど、駒はどこだ。
 右:背もたれの横にあるのは室内照明他の調整ボタン。
  もう少し沢山お金を出すと部屋面積2倍、お手洗い付きの一等個室になるんですが
  でも2畳の部屋で便器と同居って何か臭そう…個人的にはシュミじゃないです。

照明ボタンや室内音楽の音量つまみ、空調設定などを手当たり次第いじって遊んで具合を試していたら
コンコンと(開けっ放しの)扉を叩いて客室係さんが顔を覗かせました。
(あ、うっかり「係員呼び出し」のボタンに触っちゃったかな)と焦ったけど
どうやら「いらっしゃいませ」のご挨拶&車内設備の御案内に担当全客室を訪問中だったようです。
各種ボタンの説明(私たちが発見できてない機能があった!)、トイレやシャワー室の説明、食堂車の案内、
そしてウェルカムドリンク?として冷えたシャンパンの小瓶2本とつまみのチョコレートをくれました。
私、原則的にアルコールは摂取しないけど、体質的に飲めないわけではありません。
美味しいと思わないから飲まないだけ。(「飲まず嫌い」と言われたこともあります)
こういうしゅちゅえーしょんで、気が向けば、お猪口に一杯〜コップに半分くらいまでは飲めちゃいます。
飲んじゃいました。
日頃飲みつけないアルコールがよく効いて、ちょっとお陽気さんに浮かれ出すわたくし。
でも、どーせなら普通の甘い白ワインの方が良かったな。炭酸苦手。

電車はシアトルの海岸沿いを北上中。晴れた日曜の午後、海水浴客で大賑わいです。
日に2本しか通らない電車がちょっと珍しいのか、いい年こいた大人たちも電車に向かって手を振ってくれます。
シャンパンのおかげでゴキゲン状態の私が手を振り返すと、彼らは喜んでますます元気に「わーっ」「やほおおお」
電車から手を振るなんて小学校の修学旅行以来だ、きっと。
 
 左:9号室の窓から。3年前に遊びに来たとき鯨のポーが大層気に入った、水門のある公園。
 右:シアトルの海を背景に、(シャンパンの瓶を前に、)マエダくん、コロちゃん、だべさ、拓ちゃん、ふせいひょーじ。

乗車して2時間半。
窓の景色にやや飽き、車両内の探検も一通り終えて少し眠くなり始めた頃、食堂の予約時刻になりました。
いざ、夢の、憧れの、(記憶にある範囲でたぶん)人生初の食堂車!!です。
が。夫婦揃って食堂に行く=個室を留守にするに当たり、あらら困った。
部屋には外から鍵を掛けることができないようです。
磁気式の乗車券がそのまま部屋の鍵になっていると以前どこかで聞いた気がするのですが
実際の切符はどう見てもただの紙です。扉の側にも何の仕掛けも付いていません。
パスポートや財布は鍵の有無に関係なくどっちみち肌身離さず常時携帯していますが
その他にも部屋に無防備に放置したくないそこそこ大事な品は沢山あります。さあどうしましょう。
シアトルの日系スーパーで買い物したときのレジ袋ならありますが、これ提げて食堂に行くのもアレだし…
仕方無い、まるでスマートでは無いけれど、登山リュックを背負って行くことにしました。
レジ袋より見た目は数倍マシ。邪魔なことは数十倍?

食堂車のテーブルは4人掛け。夫婦2人だと、他所の夫婦(とは限らないけど2人連れ客)と相席になります。
旅行案内書などではこの一期一会こそが旅の醍醐味、良い情報収集の場でもある、てなことになっていますが
私にとっては…苦痛でしたぁ。
まず、私たちは2人とも食事マナーがあまり宜しくない。場合によっちゃ同席の方に不快感を与え兼ねない。
これはまあ見回せば他のお客さん方も「結構でたらめ」だったのでお互い様でしたが
見ず知らずの人と、当たり障りの無い無難な会話を、感じ良く繋げる。というのが私たちは非常に苦手なんです。
(しかも私には言葉の壁が^^)
どこから来たの、どこまで行くの、アムトラックは初めて?みたいな会話の入り口は無数にあるのですが
そこから先が続けられない、気付けば沈黙のテーブル。
隣の席は和やかに盛り上がってるのにー。ああ、相席になってしまった御夫婦に申し訳ない。
相手が例えばOilers(我がダラス・スターズの宿敵)のTシャツでも着てたりしたら、仲良く喧嘩できたのにな。
(Wingsじゃ駄目よ、本気で険悪な空気になって食事半ばで席を立つ破目になる)
食堂車は夢だったけど、「お持ち帰り」にして貰って自室で食べた方がストレス溜まらなかったなと後で思いました。
相席じゃ、ぬいぐるみたちにも給餌できませんしね。
(リュックの中で臭いを嗅がされただけ・音を聞かされただけのぬいたち、すっごく怒ってました^^)

食事自体は美味しかったです。
私の「本日のスペシャル」ミートローフはソースが微妙に辛すぎたけれど
夫のNYステーキは焼き加減も絶妙、下手なレストランで頼むよりずっと上等だったそうです。
(下手なレストランでステーキ頼みませんけど、普通)
パンはちゃんと温かい、サラダの野菜もしなびてないし、肉の付け合わせも良心的な味で、
これなら48時間乗り続けて6食連続で食堂車でも大丈夫な気がします。
但し(寝台料金に含まれる)などと思ってフルコースを食べ続けたら2日間でズボンの前がはじけ飛ぶかも。
食後にアイス添えケーキを頼んだら、普通サイズのケーキ1個と普通サイズのカップアイス1個がどんと来た…
片方だけでも十分に重いですってば。胃薬ください。
 
 左:夫のステーキ。皿もナイフ・フォークもアムトラック模様入りです。
  いっちょ記念にくすねてやろうと機を狙ったのですが、相席=常に他人の目があるってことで。結局失敗。
 右:ケーキの脇にアイス半量程度を盛り合わせてくれると思ってたら、こーいう予想外の形で来たので呆然。

お楽しみの食事が済んで部屋でくつろいでいたら
客室係さんが顔を出し「ベッドを作ってあげるから必要なときに呼んでね」と言います。
改めて呼び付けるのも面倒な気がして、じゃあ今お願いできますか、と廊下に出ました。
客室係さんがどんな仕事をするのか興味津々、デジカメの動画撮影体制に入る私です。
(実はさっき背もたれを倒すついでに「もっと倒せば寝床になるのよね」と自分たちで試してみたのですが
コツが要るのか何なのか、私たちの力ではびくともしなかったのです。)
狭い出入り口を客室係さんの背中が塞いでいるので残念ながら中の仕事はあまりよく見えませんでしたが
向かい合わせの座面2つを前に引き出す(背もたれが倒れる)→
もっと引き出して座面2つをくっつけ合わす(背もたれの下半分が水平に倒れる)→
いとも簡単に下段の寝床が出来上がりました。変だな、やったことは私たちも同じなのに。
完成した寝台をいったん元に戻して初めから自分で作り直したい衝動に駆られましたが
もし寝台を復元できなかった場合にそんな理由で客室係さんを煩わすのは申し訳ないと、さすがに自粛。
帰りの電車でもう1度挑戦してみようっと。
あ、上段は天井近くに畳み込まれていた棚状の寝台を引き出すだけ、これは私たちも成功済みでした。

客室係さんの手間を気遣ってさっさと寝台を作って貰ってしまったけど、実は横になるにはまだ少し早い時間。
座席が無くなっちゃって、足を下ろす場所も無くなっちゃって、ちょっと失敗したかな。と思ったのだけど
ところがぎっちょんちょん。靴を脱いで寝床の上に胡坐をかくと、これが超!!快適で
やっぱり日本人には椅子の暮らしは馴染まない、床民族なんだわ。
寝床の上段が頭上すれすれに迫った圧迫感も幼い頃に遊んだ押し入れの「秘密基地」を思い出させる心地よさ。
トランプや花札をぶちまけるにも小さな折り畳みテーブルより寝床の上の方が都合良いですし
こんなことなら乗ってすぐに寝床を作って貰えば良かったと後悔するほどでした。
このままゴトゴト1時間。そして、おやすみなさい。

揺れる電車の狭い寝台、警笛はほぼ鳴りっ放し、そんな状況で安眠など出来る物かと半ば諦めていましたが
幸か不幸か昨夜シアトル空港で厄難に見舞われて睡眠不足になっていたおかげで
恐れていたよりは簡単に眠りに落ちてしまえました。
枕が薄すぎて首が落ち着かず、トレーナーを脱いで丸めて下に敷こうとしていた覚えはあるのですが
どうもその作業の途中で意識をなくした模様です。
気付いたときには3時間ほどが経過していて、袖だけ抜いたトレーナーが首の周りに巻き付いていました。
窓の外を見ると景色は全く動いていません。どこかの駅か信号場にでも停まっているようです。
夫の鞄を無断で掻き回して手探りでカーナビを引っ張り出し(懐中電灯を持参すべきでした、これは失敗)
現在地を確認したところ、どうもワシントン州の東端、スポケーンの駅にいるらしい。
(手元の時刻表に拠ればスポケン到着はまだ1時間も先の筈なのに。スピード違反したかな?)
スポケンはポートランド方面から来た電車と連結作業をする駅です。せっかくだから作業を見物に行きたいな。
でも時刻表通りならポートランドからの電車が到着するまではまだ少し時間があるようです。
外は結構寒そうなので、布団の中で時間を待つことにして…そのまま、うっかり爆睡。
次に気付いたときは電車はゴトゴト走っていて、窓の外は薄ぼんやりと明るくなっていました。あちゃあ。
駅のベンチで居眠りこいて置いてけぼり喰らわなくて良かったと考えましょう。

 頼りない安全ベルトが2本あるだけ、寝相最悪の私にはとても無理です。下で寝ます。
 尚、上段は窓が無いので真夜中なのか明け方近いのか見当つかず困ったそうです。(腕時計嫌いな夫の談話)

朝食も昨夜と同じ食堂車。
美味しいんだけど、朝っぱらからこの量はありえない!11時頃のブランチとしても十分過ぎます。
私の頼んだパンケーキ(ベーコン添え)はなんとか頑張って食べ切りましたが
夫のトーストと卵、ソーセージ、炒めたジャガ芋のセットは絶望的にたっぷりで、半分近く残しました。
ああ勿体な。

朝食が済み、西グレイシャー駅を過ぎ、エセックス駅を過ぎ、次がいよいよ私たちの下車駅です。
客室係さんが「起きてるよね?もうそろそろ着くから、荷物まとめて準備始めててね」と部屋を覗いてくれました。
もちろん、起きてます。荷造りもとうに終わってます。
万が一乗り過ごしでもしたら、次の駅に停まるのは50分も後。引き返す電車は半日後ですから。
定刻より10分遅れ、午前10時05分に東グレイシャー駅に到着。
(シアトルとグレイシャーは1時間の時差があるので、午後4時半発・翌日午前10時着で所要時間16時間半になるです。)
お世話になりました、ありがとう。客室係さんにお礼を言って電車を降ります。
彼にチップが必要なのかどうか最後まで悩んで結局渡さなかったんだけど…正しかったのかなあ……

総括。電車の旅はとても快適でした。
ちょっと不安だったお手洗いも実に清潔で(客室係さんが実にこまめに掃除してくれていた模様)
10室(20人)に1箇所のお手洗いがあるので順番待ちになることも1度も無かったし。
(ちなみに飛行機だと50人に1つしかありません)(B777/アメリカン航空/エコノミー/満席の場合)
ご飯は美味しく、客室係さんもとてもとても気持ちの良い接客で◎(なので全編通してわざわざ敬称つけてます)。
元気一杯の若者団体が互いの部屋を訪問しあって廊下で大騒ぎなんか始めたらたまらなく不快だったでしょうが
どうも若者は安かろうきつかろうの自由席に棲息するようで、個室車両の客は中高年〜年寄りばかり。
どの部屋に人がいるのか全く判らないくらい静かなもので、その点も大丈夫でした。
(でも、足元のおぼつかない年寄りが2階席にいるのって…客室係さんは乗り降りの介助が大変そうでした。
車椅子対応の客室は流石に1階におかれてるようでしたが
もしも車両火災でも起きたら、こりゃ、相当数が逃げ遅れるぞと思ったらちと怖かったです。)
てわけで、まだ目的地の国立公園に辿り着いてもいないのに「ここで引き返しても構わない」と思うくらい
私の初めてのアムトラック旅行は大大大満足に終えることができました。(はあ、長かった。ごめんね。)

 東グレイシャー・パーク駅、左手が線路です。色とりどりの花と星条旗で飾られ、綺麗な駅でした。


グレイシャー国立公園
園内、どこに行っても雪をかぶった山が見えて、大きな綺麗な湖があって、
とてもとても美しい公園ではあったのですが
どこに行っても雪をかぶった山と湖ばかり、どこがどこやら印象ぐちゃぐちゃ。
恐れていた以上に体が衰えていたようであまり歩けず、車窓からの観光が中心になってしまったせいもあり
撮って来た写真を見てもまるで場所の特定ができない有様です。
仕方がないのでグーグルアースの投稿写真やストリートビューと見比べて
「この湖はセント・マリー・レイクだ、たぶん」とか推測してる低鱈苦(ていたらく)
10年前だったら現地まで再調査に行かなきゃこの滝がどこの滝か判明しなかったよね。
インターネットって、グーグルって、本当に有難い。
て。時間かけて金かけてわざわざ旅行したことの意義を全力で否定している気が…^^
これだけじゃあんまりなので、えーと…
写真はメニー・グレイシャー・ホテルの部屋の窓から、宿の裏のスイフトカレント湖を眺めるぬいぐるみたちです。
最初の2泊は湖の見えないシャワーだけの安部屋で、最後の1泊だけがこの「湖側・風呂付」のいいお部屋。
でも部屋に入ってびっくり、浴槽がこんなんでした。
 

国立公園で1度は見てみたい(のに、まだ1度も見た事がない)動物といえば、熊。
今回もとっても残念なことに熊さんの姿を拝む事はできませんでした。
が、そのかわり、「今!そこに!熊が出たぞ!!」と興奮状態のオジサンには会いました。
早朝、小さな滝に向かって伸びる片道4kmほどの散策道の入り口で
何やら大声でまくしたててるおじさんと、その話に熱心に聴き入ってるおばさん2人がいて
「ぐっも〜にん!」と挨拶して3人の横を通り抜けようとしたら「待て、この先の川の所に、熊がいるぞ!!」
「このくらいの大きさの子熊がいてな。あ、と思ったら、脇からこーんな大きい母熊が現れてな、」と
武勇伝?を語る屈強そうなおじさんのGパンのお尻のポケットには唐辛子スプレーの缶。
あああ、私ら、そんな物持ってません。熊よけ鈴が1個あるだけです。
体だって、熊と戦えるほど頑丈ではありません。日本人ですが柔道も空手も心得がありません。
結論、君子危うきに近寄らず。滝を見るのは諦めて散策道はそのまま引き返しました。

公園の象徴であるホワイト・マウンテン・ゴートは間近で見ました。
ヒドゥン・レイクを望む展望台までの散策道をローガン・パスから上っていく途中、山を降りてきた奴らと鉢合わせ、
4〜5メートルほどの距離まで接近してしまいましたが、こちらはそれほど恐怖を感じませんでした。
見た目優しげな草食獣に騙されてますねきっと。ご立派な角は飾りじゃないの、突かれたら死ねるありますきっと。
この「がらがらどん」たちの行く手には小さな橋が架かっています。
橋の下にトロルがいたら完璧なんですけどね。残念ながらそこに済むのはマモノでなくマーモット。
小さくて、ちょっと間抜けな顔で、可愛い奴です。
でもよく見ると両手の爪はとても鋭くて、引っ掻かれたら肉が抉りとられそうで怖かったです。
  

園内とても蚊が多いと聞いて覚悟は決めていましたが、いや全く本当でした。
初日、公園入り口で車の窓を開けて入園料を払っている1分足らずの隙に、奴ら、もう車内に入って来やがんの。
こいつは一発で仕留めまして(夫よ、いきなり平手打ち食わせてごめん)
その日はそれきり蚊に遭遇せず、翌日も夕方まではあの羽音を聞かずに済んだのですが。
公園内での2日目、カナダ側に遊びに行った帰り、国境の検問所でのこと。
この先1歩入ったらそこはアメリカ、そして同時にグレイシャー国立公園、という場所です。
パスポートを提示するために窓を下げた途端、またもあいつらが侵入して来やがりました。
「何処に、何日間行ってた?果物買って来なかったか?」等の職員の質問に答える夫の隣で
私は1人大忙しで車内の蚊を叩きまくります。
バシン!バシン!(やた!1匹仕留めた!)バシン!(もう1匹!でもまだいるぞ)バシ、バシン!バシン!!
そんな私を見て職員が大笑いしながら「ここは国立公園だよー。野生動物を殺しちゃいけないぞー」
ち・ちくそーっ。そー言うあんたらだって、詰所の中でベープマット焚いてるくせに。
落とす殺す薬でなく、あくまで「寄せ付けない」薬だけで対応してるのなら偉いものですが。
てか彼、あの科白が「持ちネタ」なんじゃないかしら。
検問所手前で停車して順番を待つ間、前の車からも愉快そうな笑い声が聞こえてきてましたもん。むぅ…
でも、検問所で法的に正式に入国手続きを行ってる最中にバチバチ手を叩きまくってるというのは
敵のご機嫌次第では公務執行妨害とか何とか面倒な話になる恐れもある行為だったかもしれず
からかわれて笑われたくらいで済んだのは有難いことだったんでしょう。
この後チェックインしたメニー・グレイシャー・ホテルの部屋の中は蚊でいっぱいで
シャワーを浴びた体を拭こうとしたら真白なタオルの上に蚊の死骸が積もっていて
よく見れば繊維に足を取られて飛び立てなくなったまままだ生きてる蚊もいて
グレイシャーと言うのは恐ろしい公園だと思いました。

 左が初日に公園入り口で叩いた蚊、右が国境で検問受けてる最中に仕留めた蚊。
 ホテルで潰した血まみれの巨大な蚊はうまく標本にできませんでした。
 国立公園内での昆虫採集は禁止されていまっす。良い子は真似しないよーに^^

グレイシャー国立公園は、国境線を挟んでカナダのウォータートン・レイクス国立公園と接しています。
と言っても、2つの公園の中を直接行き来できる普通の道はありません。
カナダ側に行くには一旦公園の外に出て、うーんと遠回りな道を1時間半も走らなきゃなりません。
ようやく辿り着いたカナダの国立公園、安くもない料金を払って入園し、
公園の中核となる大きな湖の北端にある船着場から遊覧船に乗って片道50分かけて湖を縦断し、
着いた所は湖の南端、アメリカ合衆国のグレイシャー国立公園(ゴート・ホーント地区)。
いったい何やってんだか。微妙に馬鹿馬鹿しいです。
湖の中ほどに当たるカナダ国境までここから約6kmも歩いて引き返すもっと馬鹿げた湖畔の道もあり
非常に心ひかれたのですが、今から挑戦してるともう今日のカナダ行き最終の船に間に合いません。
カナダに戻る通常の手段は船以外に無く、カナダを経由しなければ普通はアメリカにも帰れません。
(標高差1000メートル以上の山を越えてゆくやり方もありますが、やりたかありません)
ので、誠に残念ながら国境線までの遠足は諦めざるを得ませんでしたが、せめてここまで来た証しにと
船着場周辺を散策するだけなら本来不要の米国入国印をパスポートに押して貰いました。
この後、カナダ経由でアメリカに戻る途中の国境の検問所でパスポートを出したら職員がその判に気づき
「あ、ゴート・ホーントのスタンプ貰ったんだね、じゃあここのも押してあげよう」と
たぶん原則的にはいちいち押してないんであろう「チーフ・マウンテン入管」の印をポンとくれました。
陸路でアメリカに入って入国印を貰ったのはこれが初めて。ちょっと嬉しいです。
でもよく見ればこの判子、日付も「USA」の文字さえも無く、これじゃまるで動物園の記念スタンプです。
パスポートのこの頁を日本の入管職員に見られたら、遊びに使っちゃ駄目だと叱られそう。
ちゃんとした本物の正式な入国印なのにぃ。くすん。
左が船着場の簡易入管ゴート・ホーント、右が車で通過した国道上の検問所チーフ・マウンテンの印です。
 


 
話は前後しますが、これはカナダからアメリカに渡る遊覧船の船上からの眺め。
左の写真ほぼ中央、山の中腹から湖畔まで真直ぐに走る明るい緑の線は、カナダ−アメリカの国境です。
写真左の山頂側がカナダ、斜面を下りて右側がアメリカになります。
普段、国境というのは検問所という「点」、或いはあっち側とこっち側という「面」で認識することが多いので
こうしてどこまでも続く1本の「線」として見せて貰うのも面白くて良いです。
右の望遠写真は対岸なので左右入れ替わり、左がアメリカ、山の端が少し見える右側がカナダです。
山の木々が幅数メートルだけ刈り倒されていて、これが緑の線の正体です。
(草刈り費用はどっちの国が持つんだろうねえ折半かねえと余計な心配)


   
 グレイシャー国立公園の山と雪と湖と、どこかに白山羊が隠れています見付けて下さい。
 それにしてもグレイシャー(Glacier;氷河)て何だ?普通の残雪、万年雪とどう違うんだ?と夫と大討論会の末
 もしかして氷河ってマイナスイオンやπウォーター並みのトンデモ科学なんじゃないのとの結論に達しました^^


帰りも電車
東グレイシャー駅は朝に1本、夕方遅くに1本しか電車の停まらない駅なので、昼間は無人になるようです。
少し早めに着いたら駅舎には鍵がかかっていて、夕方は5時から開くと掲示がありました。
さっさと荷物を預けてしまって身軽になる段取りは崩れましたが
駅には売店の1つも無いので、どこか他所へ行って時間を潰さなきゃならないのはどのみち同じです。
駅から徒歩10分ほどのホテルのロビーを探検し、アイスを舐めながらぶらぶら。

シアトル/ポートランド行きの電車の時刻は6時45分の予定ですが
6時過ぎに駅に荷物を預けに行った際、途中駅通過が1時間ほど遅れていると情報を入手しました。
そう言われても、はいそーですかと遠くに遊びに行ってしまうわけにはいきません。
レンタカーを返しに線路の反対側まで行ったついでに周囲の土産物屋を少しひやかしただけ、
電車の本来の出発時刻までには駅に戻り、あとは遅れている電車をひたすら待ち侘びます。
駅舎内に張られた鉄道の歴史・公園の歴史に関する写真展示を眺めて時間を潰し
電車を見物に来たという日本人鉄ヲタおばさん(なんとゆー行動力!!)と日本語会話して時間を潰し
窓口近くに置かれた他の路線の時刻表を眺めて空想旅行で時間を潰し、もういい加減退屈しきった頃
それでも遅れを取り戻そうと随分頑張ったのか、約45分遅れただけ(!)で電車が到着しました。
1時間遅れと言われたのを真に受けてコーヒー飲みに行っちゃったりしたら乗り損ねた訳です。こわいこわい。

行きで懲り、帰りは早めに駅員さんに乗車位置を確認しておいたので、自分たちの車両は簡単に見つかりました。
目指す「一番後ろの車両」が長いホームのどこに来るのかは、電車が停まるまでわかりませんでしたけど。
そうして乗り込んだポートランド行き寝台車両ですが、発車してもすぐには部屋に通して貰えません。
どうやら私たちの8号室は今の駅で降りた客が直前まで使っていたようで
客室係さんが部屋を掃除して整え、枕の覆いを取り替え、それからようやく「お待たせしましたどうぞー」です。
その間、私たちは揺れるデッキで座る場所も無いまま立たされっ放し。
私たち別に構いませんけど、一緒に乗ったもう一組の客の1人は杖をついていて。そばで見ていて不安でした。
でも、乗った客がすぐに入室できるようにするには、逆に降りる客を早めに追い出す必要が出るわけで。
うちの車両を降りて行った客たち、全員よぼよぼ、杖どころか歩行器の客までいたし
あれじゃ停車するまで部屋で座っていて貰わなくちゃ危なくてたまりません。
結論、簡易椅子でいいから2脚くらいデッキにあるべきだな。
 
 左:待って待ってようやくやって来た電車。ヘッドマークとか無いのね。
 右:「電車とホームとの間広く開いている所が」どころじゃない、すごい段差。踏み台は電車側の備品です

乗車が本来より遅れた分、心配なのは夕食です。
私たちの希望の時刻に予約を入れるのはもうきっと無理でしょう。
最悪、予約はとっくに締め切った、あなたたちの食事は無いよ、なんてこともあるかもしれません。
そうなったら私ら、夕食は喰いっぱぐれですか。
展望車1階の売店にポテトチップスくらいある筈ですが、それだけじゃ朝食までもたないぞ。
とても、とても、とても、とても、とっても不安になるわたくしです。
結局の所は客室係さんの御尽力により予約名簿の一番最後に名前を加えて貰うことはできたのですが
ファイナルコールとして名前が呼ばれ食堂に入れたのは10時過ぎ。既に気が遠くなるほど空腹です。
こんな時間だから軽く済ませるべきだとは思いますが、メニューはステーキとかラザニアとか重そうな物ばかりで
料金に含まれるとなりゃデザートも取らないわけには行かないので(貧乏性)、つまり満腹。

給仕人が思い出すのも嫌なくらいに大馬鹿野郎だったせいで全員の皿が揃うまで時間がかかり
自室に戻ったら11時半近く、とっくに寝た方がいい時刻になっていました。
超空腹から一転、胃散が欲しい状態に達したままで横になり
そして電車は遅れを取り戻そうと一生懸命に走ってるので縦に横に揺れる揺れる。
あー、こりゃ酔うぞ、絶対酔うぞ、でも飛行機みたいな防水袋は備え付けてないし、洗面所まで間に合うかしら。
とか心配しながらいつの間にか爆睡してしまい、気付いたら窓の外はもう明るくなっていて
昔は本当に乗り物に弱い体質だったのに、随分強くなったなあと自分に感動いたしました。

私たちが寝ている間に、途中駅スポケーンで車両の切り離し作業がありました。
行きに見損ねて、帰りこそはと意気込んでいたのに寝過ごした、やっぱり見逃した!ので非常に悔しいです。
後で聞いたらこの作業を見たい客は結構多いようで、客室係さんに頼んでおけば起こして貰えたんだそうです。
(客室係ってそんなことまで世話するのか、大変だあああ)
切り離された前半分はシアトル行き、私の乗った後ろ半分は枝分かれした支線のポートランド行き、
食堂車はシアトル行きに持って行かれてしまったのでポートランド行きの朝は温かい朝食は出されません。
展望車に付いた売店で朝のお弁当を貰ってきます。
冷たいサンドイッチと缶詰?の果物、ヨーグルト、ラズベリーケーキ。飲み物はジュースにコーヒー紅茶。
取り立てて美味しくもないけど、駅弁気分でちょっと楽しい。
相席になった方々に申し訳ない気持ちになることもなく、昨夜の不愉快な給仕人に再度腹を立てることもなく、
自室での朝ご飯はなかなか気分良く頂けました。◎。
 
 左:行きに美味しかったからと夫は帰りも同じステーキを注文、して、撃沈。肉質も焼き方も酷かったそうです。
  付け合わせも行きの方が良かった…
 右:朝のサンドイッチはハムとチーズの一種類しか無かったので、好き嫌いある人にはつらいかも。
  宗教とか医療上の理由で特別食が必要な人は72時間前までに要連絡、らしいです。

帰りの景色は、私たちの側(進行方向右)の個室は絶対に損していたと思います。
左の個室の窓の外にはコロンビア川が流れ、途中ではマウント・フッド(オレゴン富士)も見えたらしい。
その間私たちは面白くもない荒野をぼーっと眺めていただけで、同じ料金払ってるのにこれは悔しいわ。
ホテルの料金設定で窓から海が見える側の部屋は少し高くなってたりする所がありますが
アムトラの個室も区間ごとに右と左と料金を分けたら不公平感が薄まるんじゃないかとか考えます。
あ、でもほいたら行きは私たち割増料金取られる側だったかも。やっぱ同一運賃で構わないわ(笑)

そして電車の旅は終わりに近づきます。
終点での下車なので、慌てなくても乗り過ごしの心配はありません。
先を急ぐ理由もないので、最後まで自室で座ったままゆったりとポートランド到着を待ちます。
駅が見えてきました。
大きな時計塔のてっぺんに「UNION STATION」の文字が見えます。
電車が速度を落としつつゆるゆる進むと、時計台の別の面が見えてきます。
と、そこにはUNION STATIONとは別の文字が
「GO BY TRAIN」
電車によって行く。…電車でごー!ですか。
私たちの旅は今回は終わっちゃったけど、いつかまた別の路線の電車に乗りたいな。
  
 左:川に沿って曲がる電車を撮ったんだけど、この大きさじゃわからんね。単なる車窓の眺めだわ。
 中:切り離したまんまの最後尾車両。先頭よりもかっこよく思う。
 右:ポートランド駅の時計塔。

そして翌朝の飛行機でダラスに戻り、旅は終了しました。どつかれさん。
(ぬいぐるみたちの影が薄かったね今回…)



食堂車の話は既に書いてしまったから、ええと。
今回の旅行中に食べた物の中で一番美味しかった物は
シアトルの日系スーパーの並びにある日本のラーメン屋さんの醤油豚骨ラーメンです。
これ、「今回の一番」どころじゃないよ、この十余年の間にアメリカ・カナダで食べたラーメンの中で一番でした。
客席を捌いていた若い日本人の店員さんも、アメリカの日本食レストランとしては奇跡に近く感じの良いかたで
あー、あんな店、ダラスにあったら毎週通うぞ。侍ヌードルさん、ダラス支店だしませんかあ。

シアトルの市場で買った地元ワシントン産のさくらんぼも美味でした。
1ポンド(≒450g)買って、朝食の足しに、運転中の気分転換に、夜のおやつに、数粒ずつ摘んでいたのですが
冷蔵設備無しの環境では日を追うごとに確実に味が落ちて行ってしまうのが残念で。
いつかさくらんぼの最盛期にワシントン旅行して、観光農園でさくらんぼ狩りをするのが私の夢です。

旅行中に出会った食べ物の中で一番変!だったのは、1泊目シアトルの朝食のパンケーキ。
近年、自分で焼けるワッフル機を備えた宿は珍しくなくなってきましたが
なんとこの宿には「全自動パンケーキ・マシン」があったのです。
機械のボタンを押してじっと待つこと45秒、
パンケーキがローラーに転がされて機械右手の口からそろそろりんと現れ、お皿の上にびろんと落ちて
子供ダマシの玩具みたいではありますが、焼きたてほかほかなことだけは保証つき。
保温ケースの中で15分も放置されて湿気でじっとり重くなったパンケーキよりはずっと美味しかったです。
ただ、あの、まるでクレープ!?!?のような薄さは、もーちっとどうにかならなかったのかしらねえ。
厚くしたらそれだけ時間がかかるので、忙しい朝食客には不親切なことでしょうけど。
ソーセージとか巻いて食べるのには実に具合の良い薄さだったので、これはこのままでいいかな。

国立公園の中での食事は、過去最低のつまらなさでした。
味が悪いわけじゃない。ごく普通。でも、面白くない。メニューを眺めて「これ食べたい♪」と思うものが1つも無い。
いつもなら食べたい物がありすぎて困るのに…。
メニー・グレイシャーのホテルは宿全体がスイス風にできていて、食堂の名物料理はチーズ・フォンデュ。
事前に調べた時点でこれは結構楽しみにしていたのですが、現実はキビシカッタ。
一日遊んで疲れた体が食堂前の廊下まで漏れ広がった濃厚なチーズの臭いに激しく拒否反応を示してしまい
フォンデュは断念。その店の中に入ることすらできませんでした。
あー、これはこの公園の飲食店が難アリだったのでなく、私らの加齢が原因ですか。
乾燥凍結白粥と梅干持参の旅をそろそろ本気で検討すべきなのかしら…

グレイシャーあたり一帯は、ハックルベリーという果実の特産地です。
お土産屋さんにはハックルベリーのジャム、ハックルベリーの飴、ハックルベリー風味の紅茶等々が並び
アイスクリームも「バニラ」と「ハックルベリー」の二者択一が標準です。
でも、食べてみるとこれがブルーベリーと区別つかないんだな。
5年前の夏、ハックルベリー、ムースベリー、何たらベリー、かんたらベリーと手当たり次第にジャムを買い漁り
わくわくしながら開けてみたら全部がブルーベリー味だったという悲しい実体験があるんだから確かです^^
なのにブルーベリーよりも高いし。もう騙されません。買いません。
公園外のスーパーの冷蔵棚には生のハックルベリーがあり、こいつはすごく欲しかったけど
ダラスまで持ち帰るのはさすがに無理じゃないかと購入断念。
結局今回の旅行で口にしたハックルベリーは、帰りのアムトラを待つ間に駅前ホテルの売店で食べたアイスと
アムトラの朝食に小さな容器で添えられていた「ハックルベリー・クリームチーズ」だけでありました。
(このチーズは売店のおばちゃんが「これは美味しいのよー絶対に食べてねー」と絶賛していたですが
…やっぱり単なるベリーチーズでした)

そんなことで、(ラーメンとさくらんぼを除けば)非常に不満足な今回の旅行の胃袋事情でありました。
その全ての不満を覆してお釣りが来るほどに大満足のラーメンだったので、まあ、いいっすけど。
来年はもっと美味しい物の食べられる旅行がしたいです。
 
 左:シアトルのホテルの自動パンケーキ機のパンケーキが皿に落ちる瞬間。
 右:シアトルの市場の果物屋さん。ここで試食した1粒が結局一番美味しかったなー。(半日後でも鮮度激落ち)


7月

FIFAワールドカップ2010
サッカー中継を見ていたら、我が家で一番のホッケー通ぬい「はひる」が言いました。
「Too Many Men。しかも両チーム。審判どこ見てんだ??」
ホッケーは一チーム6人で行なう競技で、7人以上が同時に氷上に出たらToo Many Menという反則になりますが
サッカーは11人いていいんだよ。てか、11人いるべきなんだよ、はひる。
でもその後も、同好の士(但し贔屓のチームは各々違うので普段は仲悪し)てばちゃん、でび、える太たちも一緒になって
「今の絶対アイシング」「ゴールクリース入ってた」等々、「自分たちのルールに則って」選手と審判を非難しまくり
そして!ついにGoaaaaaaal!!!!の場面でも冷たく一言
「ノーゴール。足で蹴って入れたよね」
 *ホッケーではパックを足で蹴るのは構いませんが、ゴールに直接蹴り込んだ場合はゴール無効とされます
あんまりにもサッカー無知な連中の的外れな馬鹿騒ぎがうるさすぎて大好きな試合に集中できず
我が家で事実上唯一のサッカーおたくぬい余湖Σにとっては非常にストレスたまる日々だったようです。
余湖は(夫をさしおいて、つうか夫なんかアウトオブ眼中な感じで)我が家の家長を務めているぬいなので
余湖の機嫌が悪くなると家中の雰囲気がとても悪くなります。
残念ながら余湖の愛するドイツチームは決勝まで進めなかったけど
とりあえず、ワールドカップが終わってうちに平和が戻って… 良かったです。


[うぃるふぇれる]という名らしい
去年の夏に見て非っ常に楽しめた超馬鹿馬鹿しいドタバタ喜劇映画の主演俳優の映画が、この夏も公開になります。
3年前にも同じ俳優の馬鹿映画に大受けして、こいつはDVDを購入してしまうまでに気に入っていますし
今年の映画もきっと思いきり下らなくて面白いでしょう。
近所の1ドル25セントの二番館に流れてくる日が待ち遠しいです。
(誰が封切館で7ドル50も出すもんですか、あんな糞馬鹿馬鹿しい映画)

でも。
予告編を見た夫は、こりゃ無理かもしれんと言っています。
俗語が多すぎて、夫、さっぱり理解できないと。
私は英国女王の演説だろうがシェイクスピア戯曲の朗読だろうがどっちみち聞き取れないことに変わりないので
俗語OK、なんならスペイン語やフランス語の映画でもほとんど気にならないですけどね。
ただ映画終了後に「で・今のはどーゆー話だったの?」とあらすじの解説を求めるのは毎度の恒例となっているんで
夫が理解できないとやっぱりきついかなあ…
しゃーない、DVDになってからでも字幕付けて辞書を片手に格闘してもらおっと。(←夫に)


以下来月乞うご期待(?)
この夏は、モンタナ州にあるグレイシャー国立公園に行ってきました。
山の上に氷河があって、雪解け水の大きな湖がとてもきれいな公園です。
とにかく山が大好き山を見たい山を歩きたい夫(富山県出身)と
海が好き海を見たい海が無理なら川でも湖でもいいから広い水辺に行きたい私(実家は海まで徒歩10分)と
両方の欲求を満たしてくれる良い公園でした。
但し公園内の食事情はお世辞にも恵まれているとは言えない代物で、
てか、今まで泊まり歩いた国立公園中で一番酷い!所でしたのでそこは減点。
それでも公園に行く前に寄った町で食べた醤油豚骨ラーメンが無茶苦茶に美味しかったので
旅全体の印象は悪くありません。
初めて乗った長距離列車(寝台個室・食堂車での晩餐付き)も大満足でした。

ダラスに戻ってきたのは25日の夜。
時差ぼけと寝不足と全身疲労から未だ回復できず、荷物も片付かなくて、やっとこさカメラだけ発掘した状況で
とてもじゃないけど報告書なんて書いてられないので、細かいお話は来月に。
(あは♪これで夏バテ暑気あたりで8月いっぱい家に引きこもっても日記ネタは確保できたぞ♪)
写真は、山の中でマーモットと戦うナキウサギのコロちゃんです。(撮影/夫)


6月

あつい
(本文無し)


蚊がうるさい。かゆい。
(本文無し)
あ゛つ゛い
(本文無し)
ブブゼラうるせえーっ
(すいません、来月はもう少しちゃんとやります。もしも7月が6月よりも涼しければ、ですけど。)


5月

そして英語を読む訓練は先延ばし・その後
ただちょっと何か些細なきっかけが必要なだけだったらしいです。
「週末は市立図書館」な活字漬け生活が11年ぶりに再開しました。
市内在住または通勤通学であることを日本の図書館ほど厳密には要求されないのを幸いと
近隣の町の図書館を片端から訪ねて回って貸し出しカードを作りまくっています。
本を借りたら返しに行かなきゃならないので、日頃の行動圏の外の図書館はいずれ淘汰されるでしょうけど。
ダラス市立図書館(本館)なんか、うちからは遠くて不便な上に、駐車場が有料ですぜ?
書架の前で本の背中を眺めていても、15分毎に耳元で「チーン!」てレジ音が聞こえる気がして、落ち着けません。
もう2度と行きませんってば。
ネットで予約入れておいて近所の別館で受け取るって形でなら利用するかな。
子供のいない中年夫婦、納めた税金の元を取ろうとしたら図書館使い倒すくらいしか方法ないですもんね、
頑張らなくっちゃ。

私が借りる本はどこの図書館でも当然日本語書籍。
日本では手に取ったことすらなかった内田康夫や西村京太郎にまで枠を広げ
それしか無いんだから仕方ないという振りをしながら結構楽しんでいます。
(吉本ばななも初めて読んだけど、これは無理だわ体質に合わないわ)
日本じゃ体面が邪魔して受付に持って行けなかったさくらももこなんかも
ここでなら係のお兄さんに中身がばれる心配がないので平気な顔して借りられますし
読書の範囲が広がることは純粋に喜ばしいです。
ただ、日本語の蔵書の絶対数が少ないのは如何ともしがたく。
やっぱり、英語の本を読めるようになるしかないですかね??
日本語訳で読んで大好きだった本なら頑張れるかとアーサー・ランサムなど借りてみたけど
結局の所は数頁で挫折いたしてしまいました。ははは。
最後の力を振り絞って「お。も。さ。」の原語は確認したぞ…


現在、握り拳大・その後
私が除草作業に勤しみ過ぎたせいで食糧事情が悪化し、少し大きく育った子兎4羽は外に出て行ってしまいました。
単に巣立ちの時期だったのかもしれないですけど。
で、その後、巣穴の中には別の子兎が湧いて出まして
今はそいつら(確認できてる範囲で3羽)が庭の王様です。
最初に産卵に来たとき(或いは産前、巣穴を掘りに来たところ?)以外は1度も母兎の姿を見ていないので
前の4羽と今度の3羽に血縁関係があるのか否かとか、細かい事情は全くわかりません。
両者が庭を飛び回り始めた時期から推定した両者の年齢差は約3週間。
兎の妊娠期間は1ヶ月程らしいから、同じ母兎から生まれた兄弟の可能性は極めて低いように思いますが
(ましてや前の4羽のうちの誰かが今回の3羽の親であるなど絶対に考えられませんが)
でも、他の兎の臭いの残ってる巣穴を別の兎が再利用するなんてことがあるのかしら???
どちらかが、或いは両方ともが、実はあの巣穴とは無関係なよその兎なのでしょうか。
なんとも謎な奴らです。


これは私が便宜上「ウサ10-2A号('10年の2度目の兎のA)」と呼んでいる子。
全員が同じ体色で同じ大きさで同じ顔で見分けはまるっきりつかないけど、
刈り残した芝生がジャングル化した庭の隅が好きな子、茗荷畑の奥が好きな子、無花果の樹の下が好きな子、
好みの日陰がそれぞれ違うので、4羽を(或いは3羽を)識別するのは結構簡単です。


そっちが真の目的か、夫よ。・その後
6日間かけて見栄張り掃除はなんとか無事に済みました。
台所大掃除は2年半ぶり、浴室大掃除は8年前の入居以来初。
要求された写真は風呂場と台所だけでしたが、敵が家の前から風呂まで瞬間移動してくれる筈もなく
玄関→居間→寝室→風呂場と、移動経路も整頓しなくちゃなりません。(場所により2か月半〜8年ぶり)
流石にあちこち間に合わず、水垢が頑固にこびりついた便器は蓋を閉めて知らん顔、とかになりましたが
人目に触れる部分は取り敢えずピカピカになっていた筈です。
それ自体はめでたいことです。が。

引越しにも匹敵する規模の大掃除の最後の仕上げ、家中くまなく掃除機をかけ終えた夕方から
室内を小さな羽虫が盛大に飛び回り始めました。
家の造りがいい加減で玄関など結構な隙間が開いてるし、少々の虫の侵入は日常茶飯ですが
これほど沢山の虫がいるってことは、家の中どこかで「発生」させちゃったとしか考えられません。
でも、よりにもよってこのタイミング、お手洗いにも台所にも不衛生な物体は絶対に無い筈なのに、何故??
念のため夫の書斎(ガラクタ置き場とも言う)とか書庫とか今回の掃除から漏れた部屋を点検しましたが
蛆虫の巣になりそうな怪しい物は何もなく。
困り果てつつ、取り敢えず蝿取りリボンの代用品でもぶらさげようかと考え
ガムテープを取り出したところで気がつきました。
掃除をした「のに」虫が出るのではなく。逆。掃除をした「から」虫が飛ぶ。
部屋中に張り巡らされていた蜘蛛の巣を払ってしまったのが原因なのです。
実は今までもきっと今日と変わらぬ無数の羽虫が家の中に入っていて
でも人間の目に留まる前に蜘蛛さんがひっ捕らえてくれていたのでしょう。
下手な掃除はしないほうが良いってことですね。
掃除機かけるにあたり、絶対に絶対に蜘蛛さんは吸い込まないように細心の注意を払っておいたので
幸いにしてたぶん家の中の蜘蛛の個体数は減っていない筈。
かくなる上は一日も早く蜘蛛さんの巣が再建されることを願うばかりです。


census2010・その後(簡易集計)
106+約20匹。
今月15日の時点で我が家に定住していたぬいぐるみさんの数です。(基準日に外泊してた子は含みません。)
「+約20匹」ってのは、「ぬいぐるみに準ずる子」たちです。
プラスチックの鳥「かなべえ」や蛙の顔を持つ折り畳み傘の「マエダくん」たち
ちゃんと一人に一つの心を持っていて、私や夫や他のぬいぐるみたちと会話できる、
ただ体が布や毛糸や綿でできていないために「ぬいぐるみ」とは呼べない、そんな子たちです。
私とは意思疎通が可能なのに夫からは完全に「物」扱いされてる子がいたり(その逆もあったり)
一時はとっても楽しくお喋りできたのに少し目をかけてやれずにいた隙に「物」に戻っちゃった子がいたり(…ゴメン)
その辺りが「約」なわけです。
あ、会話能力ってのは目安にずぎません。内気な無口なぬいもいますもんね。
判断の最大の拠り所は、その子が唯一無二の存在かどうかということ。
もしも誰かが誤って「それ」を壊したとして、同じ位の値段で形状の良く似た子を弁償して貰えたら許せるか。
お詫びの意味を込めてもっと上等の物を呉れちゃったら「ラッキー♪」と感じるか。
割れたり、黴たり、虫が湧いたりしたとき、平気な顔して捨てられるか。
許せてラッキーで平気だったら、それは「ぬい」でも「準ぬい」でもない、ただの目鼻のついた玩具/置物です。
(誰某さんに戴いた物だから/何処其処へ行った時に記念に買った物だから大事、というのはまた別の話。)
ぬいぐるみ(またはそれに準ずる存在)なら、例え元値の10倍を現金で貰ったって他人に譲ることなんかできません。
大体、そんな基準です。
で、106+20±α匹。
但し、まだ、箪笥の裏とかに落っこちたまま忘れられてる子がいないとは言い切れないのが怖いところです。
「僕、かくれんぼ、上手?」とか言って、埃まみれになって出てくる馬鹿がいるんだいつもいつも(ぶつぶつぶつ)
ま、そんな奴は順次追加してゆくとして
種族・出身地・生まれ年などの詳細は、日本の国勢調査の行われる秋までに集計完了させる予定です。


4月

そして英語を読む訓練は先延ばし
10年前、ダラスに来て間もない頃、近所の市立図書館の貸し出しカードを作りました。
だって日本国内ではどこの町に引っ越してもまず最初にすることが図書館手続きだったもの。
利用資格があるのなら国外でも当然って感じでした。
でも、初めのうちはせっせと足を運んで料理の本など借り出してみたものの
落ち着いて見回せば、棚に並んでる本、どれもこれも英語の本ばかり(そりゃそーだ)。
「外国語コーナー」に申し訳程度に日本語の本も置いてあったけど
上巻がなくて下巻だけの長編小説、とんでもなく古い旅行情報本、あやしげな自己啓発系、
どんなに日本語活字に飢えてもこれは読みたくないというような本しかありません。
やがて自然と足が遠のき、いつのまにか貸し出し券も紛失して、それっきりになっていました。

2〜3月に日本に行き、30kg超の本を買って帰ってきました。
殆どは昔から読み続けている作家がこの1〜2年に出した新刊(或いはその間に文庫化された作品)ですが
中に約3冊、夫が本屋でたまたま手にとって面白そうだから買ってみたという本が混ざっていました。
こいつが大当たり。
夫婦して滅茶苦茶にはまりまくり、日々の会話は「あの本」のことばかりになりました。
そうなりゃ当然、同じ作者の別の本も試してみたくなるってものですが
さあて、次に日本の本屋さんに行けるのは1年後か、1年半後か。
今回買った3部作とたまたま相性が良かっただけ・他の作品も同じに趣味が合う保証がない現段階では
中を見ずに通販(送料めちゃ高!)で買ってしまうなんて無謀すぎるし
かと言って三省堂のロサンゼルス店まで立ち読みに行くってのも非現実的だし
どうにかあの作者の他の本を読む手段はないものか。
藁にもすがる思いで図書館の蔵書を検索してみたら、
なんと。ありました。
1冊だけだけど、でも一番面白そうで一番読みたいと思ってた本が、隣の市の図書館にありました。
そんなに有名な売れっ子作家ではない、たぶん寧ろ無名な人だと思うので、こいつは奇跡に近いです。
早速、次の週末に新しい図書カードを作って貰い、お目当ての本を借り出してきました。
でも、もともと夫が見つけた作家だし、図書館に目をつけたのも夫だし、今回使った図書カードは夫名義のだし、
権利的に夫が先に読み始めちゃったので、私はお預け食らった犬状態です。
わんわんわわん。さっさと読みやがれー!(夫、読むの遅いんです)

市立図書館の貸し出しは一度に50冊まで(夫婦2人なら百冊だ、どひぇえ)。
せっかくなので、ついでに北村薫も1冊借りてきました。
こないだの帰国時に少しぱらぱらしてイマイチだったんで買わなかった本、無料なら大喜びで読みますともさ。
更についでに西澤保彦。でも、1冊だけあったのが、よりにもよって「森奈津子シリーズ」(笑)
あちゃらかパズラー系と「匠千暁」は自分で買い揃えるから図書館になくても構わないですが
どうせ入れるならせめて「チョーモンイン」シリーズにしてくれりゃ良かったのに…
いったい誰の趣味だ?(住民のリクエストだろうなあたぶん…)
新井素子さんは1冊もありませんでした。田辺聖子も「ぶたぶた」も無い、こいつは少々残念な感じだけど
10年前のショボさを覚えている私の目には、とてつもなく充実した素晴らしい蔵書に見えます。
しばらくは足繁く通うぞ。


現在、握り拳大
今年もまた、庭に兎が卵を産みました。
巣穴を発見したのは木曜日の夕方。
火曜の夕食後に草をむしったばかりの樹の陰で、そのときは普通に雑草の茂った地面だったので
犯行は火曜の日没から木曜の午後にかけてと断定できます。
(むちゃくちゃに動きの鈍い太った兎を木曜の昼過ぎに目撃したので、たぶん奴が母兎?)
そして週が明け、月曜の朝。私の庭には元気にタンポポを食べる4羽の子兎がいました。
…計算が合いません。どー考えたって成長早すぎ。
この4羽はあの巣穴の子たちではないのでしょうか。
でも巣穴、ちょうどのタイミングで空っぽになってるし。
近頃の兎は生後4日で離乳するのかな。私の庭の環境ホルモンおそるべし。

で。
テキサスの4月は既に殺人的に暑いです。
日焼け止め無しで日向に居座ると、数時間で黒焦げになってしまいます。
だから私が草をむしるのは、塀や建物が日差しを遮ってくれている日陰の部分です。
一心不乱にカタバミの根をほじり、ホトケノザを摘み、ハルジオンを引き抜き、タンポポに手を伸ばすと
そこにいるんですね、奴らが。
私は作業の都合上、雑草の多い場所に腰を据えています。
奴らは食欲の都合上、同じく雑草の多い場所に寄ってきます。
それもやっぱり、涼しげな日陰を選んで。
と、だいたいにおいて場所はかちあってしまうわけで
私がむしったタンポポを、奴ら、じーーーーーっと見つめてるんですわ。
奴らの目には私、「ご馳走を横取りに来た嫌な奴」としか映っていないんだろうなあ。
でも奴らに情けをかけてタンポポ残しておいたら半月後には手に負えないくらい根を張っちゃうし
鬼と思われようが悪魔と思われようが、私の仕事は草を取ること。
うさちゃんたち、ごめんね。
お詫びに人参でもくれてやりたいけど、下手に味を覚えられたら厄介だし
おなかが減ったら隣の家にお行き。


そっちが真の目的か、夫よ。
最近、夫が「この家にかけてる保険の金額が高すぎる」と不平をもらし始めまして
あれやこれや調べて見積もりまで取ったところ
確かに今より安い支払いで、いざという時はより大きい保証の貰える契約がありまして
そいつに乗り換えることになりました。
それは良いのですが

「契約に必要だから、保険屋さんが台所と風呂場の写真を撮りにくるって。来週。」
…今から臨時大掃除を開始します。取り急ぎ。


3月

似合ってるのに
何年も何年も前から、閉じた状態で長さ15〜20cm前後になるオモチャの雨傘を探していました。
できることなら真っクロ黒のコウモリが希望だけど、赤や黄色でも構わない。
布製が理想だけどビニルでも別にいい。何なら紙でもいい、防水とか撥水とかである必要もない。
そんなに難しい条件を出してるわけでなし、玩具屋に行けば簡単に手に入りそうだと思ったのに
案外、無いもんなんですな、これが。
ぬいぐるみ専門店の通販サイトで探しても、ぬい用の雨合羽はある、ゴム長靴もある、なのに傘はない。
子供が傘さして歩く機会の少ない国だから玩具も存在しないのかなーと米国内での購入は諦めて
日本に行ったときに博品館やキディランドを探した、デパートの玩具売り場も探した、でもやっぱり見つからない。
何故なんだ。梅雨があって台風が来て、シトシトざーざー雨ばっかりの国なのに、どーして傘が売ってないの。
いや、傘が欲しいのは私じゃないんです。某氏に頼まれて、某氏の代理で探しているだけで、
だから傘が見つからなくても私は別に困らない。ただ某氏がうるさいんで…やっぱ少し困るかも。
他の物、例えば「小さな服」や「小さな手提げ鞄」ならばいっそ自分で作っちゃうことも考えるけど
傘、ちゃんと開け閉めできるように作るのは相当に難しそうじゃないか?少なくとも私にゃ無理だ。
専門の業者さんに頼めば希望の大きさで作ってもらうことも可能かもしれない、
だけど予算500円で頼まれてくれる傘屋さんはなかなかいないだろうし。ああ参ったな。
という状況で、小さな傘を探し続けることかれこれ7、8年。
ついに、見つけました。
残念ながら第一希望の黒ではなくピンク、しかも柄ものですけども
とにかく念願の、開閉できる全長約15cmの雨傘です。嬉しいねえ某氏=タカシくん(大トトロ)!


「こんな模様、ブジョクだ。わしのこと馬鹿にしとるだろ」
…せっかく買ってやったのに、なんだか不機嫌そうなタカシくん。
取っ手や石突はどうしようもないけど、布地くらいは頑張って黒無地に張り替えてやろうかな^^


census2010
10年に1度の国勢調査が始まりました。
渡米してから、我が家ではこの手の事務仕事は全て夫の担当になっていて
今回も当然夫がやってくれるものと信じ込んでいたのに
奴、「めんどーだから、テキトーに答えといて」と用紙を放り出して行ってしまいました。
おいおい無茶いうな、私は英語の書類は読まんぞ。
と思いつつ封筒を開けてみたら、ありゃりゃ簡単だわ。
辞書も使わず、5分もかからず作業終了してしまいました。
性別とか年齢とか人種とか超簡単な項目しかないので、これが読めないという方が問題あり!なんですが
でも10年前の国勢調査のときは必死で格闘した末に結局手におえずに投げ出したような記憶があり
凄まじいまでに緩やかな速度でではあるけれど、私も確実に進歩は遂げているのだなあと感慨にふけるのでありました。
もしかしたら10年前は調査内容が違ったのかもしれないけどね。

公式書類を提出し終えたら、さて、長年の懸案事項、我が家の「ぬい勢調査」にも着手しなけりゃなりません。
いったい今、うちには何匹のぬいぐるみがいるんでしょう。
数十匹で収まってるのか、二百を超えるぬいがいるのか、見当もつかない状態になってしまっています。
ここらで一度、名前・年齢・出身地・種族(犬とか熊とかオバケとか)くらいをきっちり把握しておかないとなりません。
ああ、ビニール製の飛行機で目鼻もついてない癖に一人前に喋りやがるサウスウエスト君はぬいぐるみに含みますか。
形状は確かにぬいぐるみだけど、どー見ても心を持ってない、命を宿してない物体は無視してもいいですか。
フェルト製マスコットの増殊くんやキーホルダーのルダは勘定に入れますか。
体は1つなのに2つの人格を持ってる恐竜、体は2つなのに人格1つの豚、どう扱いましょう。
姉の家に泊まりに行ったままもう3年も帰ってこないシマウマは数えますか。
行方不明のあの子は。
調査そのものより、誰を調査するのかという部分が難しそうです。
頑張れわたし。


ほぼ1年半ぶり
日本に行ってきました。

成田空港から実家最寄駅までの直行バスが走るようになり、随分とラクができました。
バスだと国鉄より1500円も高くつくけど、2000円分くらい快適だった気がします。
巨大トランク引きずって帰宅ラッシュの総武線と東海道線を乗り継ぐのは大変だったもん。
次回も使おうっと。
駅と自宅の間を走る路線バスも「ノンステップバス」とかいう車内に段差のない車になっていて助かったし
来春頃に建て替えが完了するはずの実家(公団住宅)にはエレベーターがつく予定だし
重い荷物を抱えた身には有難い限りでございます。
あとはダラス→羽田便が運行されれば言うことないんだけどなあ。(きっと無理)

日本では、運行中止を1週間後に控えた夜行急行「能登」に乗れました。
本当は寝台特急「北陸」に乗りたかったんですけどね
あんな幅の狭い寝床じゃ、確実に落っこちますってば。
それよりは急行の座席を倒した方がよほど寝心地よいです。
20年前の「能登」は直角固定座席だったから地獄だったそうですけど。
(独身時代の夫が富山県の実家に帰省するのに愛用してたらしい)
車内検札のあと、「急行能登」記念乗車証っつうのを戴きました。
ヤフーオークションとかに出すと、現時点で4000〜4500円程度で売れるようで。
私のは片隅が折れ曲がっちゃったから少し値が下がるかな?
いえ、手放しません絶対に。なんのかの言って、私はどうも鉄子ちゃんであるらしいです。

鉄子ちゃんな私は、埼玉県内に新しくできた鉄道博物館にも行きました。
館内いたるところにQコードなる模様をはっつけた板が設置されていて
ケータイでそれにアクセスすると展示物の説明を読めますって
私、ブチ切れた。なんで「ここ」に来てる私が「ここ」で「これ」の説明を読めないの?
日本、間違ってる。
腹が立ったんでそこにあった0系新幹線を蹴飛ばしてきました。
日本食堂のスパゲチナポリタンはおいしかったです。

そしてダラスに帰ってきたら、庭が雑草だらけになっていて
膝の裏に日光を当てて時差ぼけ回復を促すのと一石二鳥だわと庭に出てみたけれど
草むしりしてる間は膝を畳んでしゃがんでるから膝裏に光は当たらないという事実に落胆しています。
太腿と首筋なら既に黒焦げになるくらい日に当たってるのだけどねえ…


2月


ダラスだって、降るときゃ降るし、積もるときゃ積もるんだぜー!
道路が凍って危険になる前にと、午後はやい時間に帰ってきた夫と
今晩は昨日の残りのカレーを温め直すだけだから暇だわーの私と
見事に一面真っ白になったお庭で楽しく雪あそび。
ふふふ、「転がして作る雪だるま」って、実はたぶん初めてです。
純白の雪だるまを作れたのも初めてです。
私の育ったのは神奈川県の温暖な海岸沿い地方、
雪だるまってのは塀や壁のそばの吹き溜まりからかき集めた雪混じりの泥を団子にする物だったので。
初めての作業に要領がわからず、とりあえず闇雲に転がしたら、球でなく円筒になってしまって
ああそうか、一方向にだけ転がしてたんじゃいけないのね。学習したぞ。
流石、北陸地方出身の夫が転がした胴体は私のより綺麗でした。
で、私の作ったいびつな頭部を持ち上げて胴に乗せようとしたら、うげ、持ち上がらない。
あんまりふんだんに雪があるので、調子に乗って大きくしすぎたみたいです。
夢中になるあまり怪我するのが明白だからと雪合戦を諦めて雪だるまで我慢したのに
ここで腰を痛めちゃ意味がないじゃないか。
2人がかりでやっとこさっとこ抱え上げたけど、次の積雪までにもっと安全な方法を探しとかなくちゃな。
(いや、ダラスでこんだけ積もったのは30年ぶりだそうで…たぶん私たちには「次」は無い。だから平気さ)


ご近所さんはみんな3頭身のスノーマンをこさえてたけど、ウチは意地でも二段重ねの達磨さん。
一緒に写ってるのは先月うちに来たカワウソ(river otter)です。
ええと、我がダラス・スターズにSteve Ottという選手がいまして、彼の愛称がOtterでして、
その関係で試合会場の土産物屋で売られていた公式(?)Ottグッズなのです。
ちゃんとスターズのロゴ入りTシャツも着ています。
Steve Ott(カタカナ表記すればスティーヴ・オット)が私の耳には「スチーボー」と聞こえるので
だから、この子の名は「すち坊」です。


今月の故障
1月の、最低気温が氷点下となった朝、給湯器が故障しました。
ぬるま湯は出るので台所の洗い物くらいなら不都合ないけれど
熱いシャワーを浴びられない。浴槽に浸って体を温めることができない。真冬にこれはキツイです。
修理屋さん呼んで部品の交換をして貰い、でも結局それじゃ改善しなくて新品の給湯器を入れて貰い、
なんだかんだで1週間くらい不自由を強いられて。

「でも壊れたのが給湯器で良かった、暖房壊れたら地獄だぞー」
「んにゃ、暖房なら布団に潜ってれば凌げる。真夏の冷房故障の方がシャレにならんでしょ」
「冷房壊れたら迷わずホテルに避難するから。暖房はなまじ我慢の範囲内だから厄介よ」などと話していたら
ははははは。
上記の大雪が降った翌々日、暖房が止まりました。
うきゃあ、まだ3日間くらいは氷点下の朝が続く予報なのに。雪洞掘ってビバークしなきゃ。
ノートパソコンのぬくもりが命の支えです。ぶるぶる。

で、大慌てで夫が業者さんを探して電話をかけ、その間、私は超大慌てでお部屋のお片付け。
ずぼらx見栄っ張り=客が来るときだけ掃除、が私の現状で
自宅に呼ぶような友人は近所にいない、姑・小姑に急襲される可能性もゼロとあっちゃ
私が家を片付けるのは「何かが故障して修理業者さんに来て貰うとき」と
「大型家具・家電を買って配達業者さんに搬入・設置もお願いするとき」だけで
もしかして。
私に掃除をさせるため、夫が家中の装置を順繰りに壊して回ってるんじゃ…??と
勘繰らずにいられない今日この頃なんであります。


空気を入れて膨らます、ビニル製のスタンリーカップ(NHLの優勝杯)。
割としっかりできていて、空気が勝手に抜けちゃうことは殆どありません。
なのに今日は首が傾げていることを、PV=nRTの式をもって説明せよ、だ。


平和すぎる祭典
うちの黒熊ぬい、セオドア・ルーズソックス君が、カーリングにはまってしまいました。
ちょっとテレビつけたらたまたま中継してたどこかの国vsどこかの国、という、実にどーでもいい対決だったのに
中継解説者が「レッド・ストーンがどーたら…一方のイエロー・ストーンはこーたら…」と喋っているのを聞いて
「イエローストン!頑張れイエローストン!!」と突如大騒ぎを始めたです。
イエローストーン国立公園の売店出身の子なんで。
私はホッケーを見たいのに、夫も、てばちゃんも、デビ君もホッケーを見たいのに、
1人でカーリング中継のチャンネルにしがみついて離れない。
仕方ないので倉庫に放置してあった古いテレビを引っ張り出してきて、黒熊専用カーリングテレビにいたしました。
どこの国でも関係なく完全に平等に黄色の石の側を応援するんだから、超平和でいいですが。
たぶんダラスでカーリングの公式戦なんてこともないだろうから、観戦のための出費もないだろうし(笑)
でも、あの石を買ってくれとか言われたら結構高いぞ。(漬物石に使えそうだからいいけども)


1月

実はちょっと食べてみたいわたくし。
マクドナルドの(笑)テキサスバーガー(爆笑)
ここをご覧の方の中で、召し上がった方、いらっしゃいましょうか。
なんかね、もう、アメリカのファストフード屋にある「Asian Salad」級の勘違いつぅか
その辺の中国人経営のジャパニーズレストランのニンジャ・セットとかゲイシャ・セット並みの「うぎゃあああ」な感じで
これの何処がテキサスなんだああああ。
まあ、普通の日本人にとってのテキサスなんて、カウボーイで、サボテンで、勝野洋で、な程度の場所でしょうけど。

そういやあ、アイスクリームを乗せた丸ごと食パンで有名な某カラオケ屋さんにも変な料理が存在しましたっけ。
「メキシカン・メニュー」と銘打った括りの中に「ジャンバラヤ&ケイジャンチキン 〜テキサス風炒めご飯〜」てのがあって
それに「ケイジャンスパイスを使った米国、ルイジアナ州の代表的な炒めご飯です。」と説明がついてるの。
ルイジアナ州なのかテキサス州なのかメキシコ合衆国なのか、はっきりしろや!
なんかもう、あんまりにも酷すぎる地理的理解度に怒る気力も失せて、脱力して、
07年のお花見2次会でその店に行ったとき、頼んじゃいましたよそのテキサスルイジアナメキシコご飯。
直火用の鉄皿に盛られ、生の卵黄が乗って、殆どテキサスルイジアナメキシコ風ビビンバという見た目になってました。
テキサスでは(そして旅行したルイジアナやメキシコでも)1度も食べたことの無い妙に和風な味でした。
いやあ。
今は「メキシカン」の枠を離れて「ライス&ヌードル」に分類され、「ルイジアナ発祥の」という説明に変わりましたが
名称は相変わらず「テキサス風炒めご飯」のままのようです。
断じて断じて、テキサスには(少なくともダラスには)あんな変な料理はありません。
先週、訳あって近所のマクドナルドに行きましたが、勿論、テキサスバーガーは売ってませんでした。


ロシアチームにZubie追加登録の報をききたい
オリンピック中は有力選手を全部そっちに取られちゃうため、 NHLは全日程が中断します。
が、うちのテレビじゃアイスホッケー以外の競技の中継はあまり受信できないようで(笑)
仕方なく、大会中もホッケー漬けになります。
チームUSAには我がダラス・スターズの選手が1人も選出されていないので、まあどうでもいいわ。
大会10日目、アメリカ対カナダくらいは観るつもりだけど、はて、どっちの味方をすればいいのかな。
カナダチームにはウチの主将モローが入ってるからな。
モローが超頑張って個人成績は抜群だけど試合自体はアメリカの勝ち、が最良かしら。
にゃ、モローが怪我せず無事にダラスに帰ってくるのが一番ですね。
私が今一番楽しみにしているのは米-加戦に続いて行われる、予選C組のスウェーデン対フィンランドです。
スウェーデンには、スターズの若手エリクソンが参加しています。
対するフィンランドには、スターズの古参レチネンがいます。
そして、01-02年から06-07年までスターズにいたカパネンもいます。
03-04年から07-08年に活躍したミェッチネン、05-06年から07-08年にかけての盟友ハグマンもいます。
大会直前のメンバー入れ替えでJ.ヨキネン(05-06年から07-08年)が加わる可能性も高そうで
彼も含めて数えれば、フィンランドの攻撃陣13人のうち5人が(元)スターズ選手。プチ同窓会状態です。
5人同時に在籍したのは05-06年の後半だけですけどね。
フィンランド、ぜひともメダルをとって欲しいです。頑張れスオミ!
(いや、エリクソンのスウェーデンにも頑張って貰いたいですけど。)
問題はこのスウェーデン-フィンランド戦、試合開始がバンクーバー時間の夜9時なのね。
ダラス時間で11時。試合が終わるのは早くて深夜1時半、下手すれば2時。
私、翌朝、どーしても遅刻できない用があるんですけど。絶対に寝坊しちゃいけないんですけど。
ちょっと地獄をみるかもな。

フィギュアは、ミライ・ナガス応援体制に入っています。ロシアの川口・スミルノフ組にも興味あり。
いえ、真央ちゃんとやら始めとする日本選手団は比較的どーでもいいです。
あくまで「在外邦人」の立場で、同じ在外邦人/日系人に共鳴しているだけです。
でもテレビで記者会見みてたらミライ嬢、ぺらぺらと英語喋ってやがって……応援意欲5割減^^
どこかに英語(現地語)のできない日本人/日系人選手はいないかしら。

あと1人私が応援してるのは、大会マスコットのクワッチ。ウチのミツユビナマケモノ「はひる」にそっくりなんです。
ホッケーのゴーリーになりたいというクワッチの夢も「はひる」と重なる部分があり
クワッチのぬいぐるみ、それも出来るだけ大型のを、なんとか手に入れられないかと画策しているところです。
在バンクーバーの友人がいるけど、ここ数年は疎遠気味なのでいきなしの依頼事はしにくいし、ううう……
(できれば通販は避けたい。)


OSTのコミュニケーターなら欲しい…かも
去年はついに一度も日本に行けなかったので(てか、一度もアメリカ国外に出なかったので)
そろそろ和菓子材料と漫画本の仕入れに行かにゃならんかなと思い
そうなりゃ途中1泊くらいは豪華夕飯・理想の和朝食つきで温泉三昧したいなーとか思い
洞爺湖から指宿まで、日本各地の旅館のウェブサイトを巡ってみていたわけです。
…予約時に「当日、確実に連絡のつく電話番号(携帯等)」が必須な宿の、なんとまあ多いこと。
5時到着・6時夕食の予約をした客が7時を過ぎても来なかったら、宿側はそりゃ心配になるでしょう。
もっとぶっちゃけ、来るのか来ないのか、メシは要るのか要らんのか、はっきりしてくれなきゃ迷惑なわけで。
携帯電話番号、あれば便利でしょうよ、そりゃ。でもね。
日本のケータイを持ってない外国からの客は旅館に泊めても貰えないんですか。しくしく。
(…ああ……温泉の本音としては「ガイジンお断り」もあるのかもな……)

「おトクなサービス開始!」の頁を期待しながら読み進んでいけば最後に「おサイフケータイ」が必要と言われるし
割引クーポン見つけたと思えばそれもまたケータイに読み込んでどーたらこーたらだし
めげました。
日本では夫とはほぼ別行動になるので、連絡用に成田で貸し携帯でも契約したほうが便利かなと思ってたんですが
ここまでケータイケータイケータイ言われると、もう意地でも持ってやるもんかと考えが変わりますね。
文明の利器を全否定する意思はないので、iPodでのインタネット作戦は考えてますが。
無料接続できる場所がもう少し増えないと実用性低いかな。

旅館には泊めて貰えず、日本の現住所を証明する書類がないので各種会員登録ができず=会員割引が効かず、
外国に住む人間にとって日本は不当に不便です。が。
東京都内の某ホテル。
英語サイトから入って予約すると、宿泊時要望事項として「蕎麦殻枕」の選択肢があるんです。
日本語サイトには客室設備/備品の一覧にも蕎麦殻枕を用意できるなんて書いてありません。
何も知らない日本人はお仕着せの羽+綿の枕しか用意されないわけで。在外組の勝利です。わはは、わはは。
そんなこと以外に利点がないのが悲しいですな^^


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