ダラス歳時記

(つん太の遺した未完成稿に手を加えず公開してあります))

秋。

よーやく、昼間、お外で時間を過ごせるくらいまで気温が下がり始めたダラス。
毎週末、近所のどこかで面白そうな屋外イベントが開かれる。
暑さには慣れてるはずのダラス人も、やっぱり皆、涼しくなるのを待ってたんだろうねぇ。
…それとも、ぼくが知らなかっただけで、夏の間もいろいろやってたのかな?
お外に出ようなんて思わないから、行事案内に目を通して無かったよ。

9月半ばから1ヶ月間、市内の大きな公園で
「ステート・フェア・オブ・テキサス」が開かれます。
『大草原の小さな家』に出てくる豚やかぼちゃやパイの品評会、
あれを少し現代風にした感じのお祭りなの。
新車の展示会があって、最新型のお鍋の実演販売があって、
手作りキルトのコンクールがあって、
でもテキサスだから、牛や馬の品評会もある。
移動遊園地、野外音楽会、牧羊犬のショーや子馬のサーカス、
もちろんホットドッグやリンゴ飴の屋台も並ぶよ。

写真奥のカウボーイハット被った大きな人は「Big Tex」。
このお祭りをもう50年以上も見守り続けてきた
由緒あるマスコットなんだって。
彼の足元に観覧車があるの、見えるかなぁ。
この観覧車自体は公園に常設されてるんだけど
ぼくたちを乗せて回ってくれるのは、お祭りの開催中だけ。
これに乗ってぐるり360度のダラスの景色を眺めるのも
ステートフェアの楽しみの1つです。



これは、ダラスの北隣Plano市の恒例行事
「バルーン・フェスティバル」。
数十機の熱気球がふわふわと空を飛ぶ…
だけのお祭りなんだけど
周りに建物の無い、広い野原に寝転がって
すっきり晴れ渡った大空を見上げるのは
とっても気持ちが良くて楽しいの。
美味しい物のお店も並ぶしね。
ケロッグのコーンフロストの虎さんや
ラバーダッキーの形の気球もあって
小さな子供達が大喜びで手を振ってたよ。



他にも日本人会秋祭りとか、 大リーグのプレーオフ アイス法華



10月31日はハロウィンです。
アメリカの1年で、ぼくが文句無しに1番好きな行事!!
だってオバケとお菓子のお祭りだもん。
墓石とかクモの巣とか不気味な飾りは、ちょっと恐い。
でも、駄菓子の徳用大袋が山と詰まれたスーパーは
「ぼくの幸せを絵に描いたような景色」です。

後ろの橙色の物体は、カボチャ提灯「Jack-o-Lantern」。
伝統的な提灯は、手前の小さなカボチャの顔だけど
最近は化け猫とかコウモリとかを彫るのも多いみたい。
いろんなデザインがあった方が、楽しいよね。

この時期、パーティーグッズ屋さんに行くと
魔女やフランケンシュタインになるための衣装を
たくさん売ってるよ。
ぼくも真似して、かわいいオバケの仮装をしてみました。
どう? 似合うかな?

ぼくの前にある白・橙・黄色の3色の3角形は
「キャンディ・コーン」っていうハロウィンのお菓子なの。
物凄〜く甘くて、ぼくは大好き。

当日の夜は、勿論「トリック オア トリート!」
ご近所を回って、袋にドッサリ、甘い物を入れてもらうの。
残念だけど最近は、このお楽しみは廃れつつあるみたい。
学校の同級生の家や親の友達の家だけを
親の車で回るっていう例が多くなってるんだって。
「知らない人の家を訪ねて食べ物を貰う」
「訪ねてきた知らない人に玄関を開けてあげる」
それが危険なことなんだよね、今のアメリカでは。くすん。
うちでもお菓子を用意してたけど
ついに子供は1人も来なかった。
このチョコの山がぜんぶぼくの物になったんだから
それはそれで「うしし」だけどね。



11月、感謝祭。
1620年、イギリスから渡ってきた清教徒たち(ピルグリム)は
本国とは違う気候、本国とは違う土壌のせいで
生きて行くに十分な農作物を育てることが出来なかった。
それを助けてくれたのが、この大陸の先住民族たち。
この土地に適した作物の種を分け与え、その育て方を教え、
どの植物に毒があるかを教え、どの植物が薬になるかを教え、
この土地で生きるために必要な知恵を、何から何まで分け与えた。
先住民族のおかげで厳しい冬を越し
先住民族のおかげで豊作の秋を迎えた清教徒たちは
収穫祭の宴席に、大恩ある先住民族たちを招き、食事を共にした。
それが感謝祭の始まりである…てことになってるらしい、今は。

その後の先住民族と移住者達との間には悲しい歴史があるから
先住民族の血を濃く受け継ぐ家では、感謝祭を祝わない人が多いらしい。 でも、それ以外のほとんどの「アメリカ人」たちは この日、家族全員、ひいおじいちゃん・あばあちゃんから孫達まで 一族が大集合して過ごす日らしい。 ぼくたち、この国の中に家族を持たない赴任・出張者にとっては ちょっぴり居心地の悪い日。 レストランやデパート、映画館は勿論 ファストフードの店屋24時間営業のスーパーも閉まっちゃうから そんなことを全く知らず、 「じゃあレストランで七面鳥でも食べようかな〜、 安く済ますならスーパーで焼いたのも売ってるし〜」なんて考えてたらなきを見る。

11月、感謝祭。



ダラスの秋は、とっても短い。
まだ暑いから夏だよね、夏だよね、夏だよね、って思ってるうちに
ふと気付くとカレンダーは11月後半になってたりする。
それでもまだ日中は半袖半ズボン。
楽しい行事が無かったら、秋なんて実感無しに終わっちゃうかも???
だからこそ、ぼくは秋の行事がとっても好き。(特にハロウィンはね!)
大事に大事に楽しみたいなー。

ダラス歳時記・//秋/ (前年の秋/冬)